『無頼』『ヤクザと家族』・・・暴対法下でたそがれるヤクザを見せられても・・・。

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2月18日

少女ムシェット」(1967年/80分/PG12/フランス/原題:Mouchette/監督:ロベール・ブレッソン 出演:ナディーヌ・ノルティエ)2020年10月4Kリストア・デジタルリマスター版でリバイバル公開。日本初公開1974年

 

 名匠ロベール・ブレッソン、と言われても、知らない。

 

・・・フランスの作家ジョルジュ・ベルナノスの小説を原作に、ひとりの少女のたどる悲しい運命を、厳格なフレーミングと俳優たちの最小限に抑制された演技により、ストイックかつリアルに、まざまざと描いた。(映画ドットコム)

 

時間がちょうど空いたので見ることにした。

残念だがついていけない。良さがわからない。古い映画、としか見えないのは私の「眼」の問題?

独特の雰囲気があるのはわかるが、私には退屈な映画だった。

 

厚木の映画館kiki で 

『無頼』(2020年/146分/日本/監督:井筒和幸/出演:松本利夫・柳ゆり菜ほか)をみた。

期待していたのだが、途中で飽きてしまった。どうして今この映画を撮らなければならなかったのか、よくわからない。戦後の歴史にやくざの世界をかぶせて見せてくれるのだが、みなどこかずれてすべっている感じ。「パッチギ」のひりひりするような焦燥感は、ない。無頼、にも見えない。駄作だと思う。

 

もう1本やくざ映画。2月25日、グランベリーシネマで

『ヤクザと家族』(2021年/136分/日本/監督:藤井道人/出演:綾野剛舘ひろし

『新聞記者』を撮った監督。いい映画だと思たので今作も期待したのだが。

まあ『無頼』に比べてこっちのほうが「すじ」があって安心して?最後まで見ることができた。でもなあ。昔のヤクザ映画の派手さに暴対法によって追いつめられる悲惨さを対比しさせて、そこに「家族」をトッピング。安易というか。

ヤクザのやわらかい部分、人間的な部分を描いてもいいけど、なにか伝わってくるものがない。薄い。あっち側に行ってしまってどうにもならずに、あっち側で生きていくしかない人たちのいいわけ?

要するに、ヤクザさんも大変ですねえ、の映画か。

この映画も『無頼』もタイトルがひどすぎる。質的には変わらない。

タイトルも中身も『やくざと憲法』のほうがはるかに上、見たいと思っているものをしっかり見せてくれていた。

舘ひろしの悠揚迫らぬ演技はわざとらしいというか好きではない。

二本とも主人公の人物造形が浅く、作りものっぽい。激しい暴力を描きたいのはわかるけど、見ているほうに「痛み」が伝わってこないのは…。

堂々と「ヤクザにも人権がある!」と主張をするヤクザを描いてほしい。最低限の文化的生活をする権利を主張して何が悪いという開き直りでいいではないか。

 

と言いながら、ヤクザ映画というと、つい足を向けてしまう自分もいまいちイケてないけど。