あまり熱心には見てないけれど、日本学術会議の問題が続いている。
菅首相は99人分の名簿しか見ておらず、学術会議が出した推薦人名簿を見ずに決裁したというのだ。
首相が任命するのだから、それが首相のところまで上がっていかないというのは、それ以前の過程で「文書改ざん」が行われているということだというのが学術会議の主張。
加藤官房長官は「推薦名簿は参考資料。参考資料までは(首相は)見ていないということだ」だって。それは無理スジだと思う。
この加藤という人、記者会見のときの様子をみると、厚生労働大臣をやっているときとは、顔つきも言葉遣いも全く違う。「傲然と」という印象。誰も言わないから私の思い込みか?
政権内部で何ランクも上がり、政府を代表するスポークスマンとしてしっかり前官房長官の態度を踏襲している。「上から目線」。
流れとしては官邸が押されている。SNSもあと押ししている。
しかし検事総長定年延長問題の時を思い返してみよう。
政権が自らの身を守るために、自分の言うことをきく黒川検事長を押し上げようとしたのに対して、反対の大きな流れがつくられ、黒川氏本人の賭け麻雀問題で、この問題あっけなくぽしゃることになった。
「やったやった。官邸の奸計は敗れた」と留飲を下げた人が多かった。
しかし、検察の横暴は相変わらずだし、ほぼ起訴=有罪だし、取り調べの可視化なんて見かけだけでほとんど進んでいない。
山口メンバーなど酒気帯び運転で即逮捕だし、家宅捜索までなされている。罰金刑どころかへたをすれば執行猶予もつかないことが予想される。山口メンバーに必要なのは、厳罰ではなく治療であることは明らかなのに、見せしめに利用される。
一方では、池袋事故では、過失運転致死傷罪に問われている旧通産省工業技術院の元院長は在宅起訴で拘留もされていない(1審が始まって彼が無罪を主張したことに対して批判が集まっているが、それは別の問題。裁判なのだから推定無罪から始まるのは理の当然)。
そんな検察にみな味方した。
右か左か、さあどっちだと言うと、みなどっちかに乗る。ほぼ判官びいき。悪代官をやっつけろ。
でも、世間を味方につけた方がすべて正しいかと言えばそんなことはない。
今は日本学術会議の味方が大勢。
でも、私もそうだが日本学術会議について私たちはどれだけのことを知っていたのか。
学問の自由は、ここで守られているのか?
たくさんの提言を出しているそうだが、残念ながら私はその存在をほとんど知らない。
知らないのはお前さんだけだよと言われるかもしれない。いやいや。
またお金の話になるが、年間10億円も国からお金が出ていることも、会員が学士院会員になると年間250万円の年金が出ることも知らなかった。
そういう人たちが学問の自由を守っているんだ?という皮肉のひとつくらい言ってもいいじゃないか。
しかし、味方をするのはいいけれど、その中身をしっかり見極めようとしないといけないな。