数日前のこと。
畳を替えないかという電話があった。畳屋さんの女将さんらしい人。プロのオペレーターではない。
つい一枚汚れがついてしまった畳が頭に浮かび、「琉球畳もやっていますか」と質問。すると「なんでもやりますっ!」と勢い込んで何枚ぐらいあるのか、いつから使っているのかなどとボリュームを上げてたたみかけられる(畳屋だけに)。
仕事がなくて大変なのだろう。電話で営業をかけて仕事を得ようとする。すぐにどうするという予定はないのに、よけいな期待をもたせてしまった。電話番号だけは聞いておいたが。
やはり数日前のこと。
スマホに友人の名前。出ると「ああ、お父さんだけど・・・」と、話し始める友人。
少しだけ聞いて(人が悪い問われるが…)
「○○さん、これ、お父さんサギですか?」
私だということが分かると、○○さん、びっくりしている。それはそうだ。
息子にかけていると思い込んでいると、私の声ですら息子の声に聞こえる。
はやりの認知バイアスで説明できてしまう。人は聴きたいものを聴く。
コロナ関連の詐欺が増えているという。
マスクを送り付けておいて、高額の請求をする。
マスクを送るからと、口座番号などの情報をとる。
厚労省だけど、優先的に検査をしてあげるから申し込みを。
コロナのウイルスの消毒をしているが、どうする?
コロナで入院しているけれど、費用が足りない。誰かを取りに行かせるから。
など手口はいろいろだが、コロナへの恐怖心や感染者に会えないことを使った詐欺が多いとのこと。
3月23日現在で国民生活センターへの相談は18000件超だったそうだ。このままだと4月は20000件を超えるとのこと。
東日本大震災のときは3か月で17000件だったというから、かなり多い。
個人営業?はあまりない。たいてい組織的な詐欺グループのしわざ。
詐欺ではないけれど、非正規労働者に対する労働問題が頻発している。
仕事がなくなってしまったというものから、妊娠を理由に出勤を見合わせているうちにクビを切られたとか、非正規には在宅勤務用の機器の貸し出しをしないとか、正規社員は在宅勤務となっているのに、非正規だけが出勤を強いられているといった問題だ。
はたらき方関連法がこの4月から発効。コロナ禍がなければ大きな話題となったはず。
ザルな面はあるにしても、今までとは少しだけ状況が改善されるところもあったはず。
はたらき方よりも今は雇用そのものが問題に。
公的に発表されている日本の失業者数はたしかなものなのか。
アメリカでは失業率3.5%で推移してきたのが、ここにきて失業保険給付の申請が先月中旬からの申請で1600万件に上るという。
失業率は間違いなく10%を超える大変な事態だ。
2019年の日本の雇用者数は5,660万人(2020年は6000万人を超えている)、そのうち非正規が2,165万人【総務省統計局調べ・2019年】
雇用者数の4割近い人たちが非正規雇用者。新卒の内定取り消しなどの問題もあるが、
景気の悪化による非正規労働者のクビ切りが始まる可能性が高い。
預貯金の少なさから、すぐに日々の生活に困る人が多い。
どれだけのセーフティーネットを国が準備できるのか。総合支援資金や小口支援金のようなものだけでは決定的に不十分だと思う。
タダの不景気ではない。これから未曽有の不景気となる。
雇用調整助成金の特例措置が拡大されているが、通常の助成金の扱いと違うのは、
特例以外は雇用保険の被保険者が対象なのに対し、特例措置緊急対応期間(4月1日から6月30日)では、『雇用保険被保険者の労働者の休業も助成金の対象に含める』とされている。
要するに、企業は雇用保険に入っていない非正規労働者に対する休業手当をしっかり払えということ。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html
4割近い非正規労働者を遇する労働法制の拡充が求められているのは今に始まったことではない。特例ではなく、通常のシステムのなかに非正規労働者を含み込むkとが重要だ。
いまこの時期こそ最も厳しい労働環境に置かれている人たちにきちんとした対応ができるかどうか。コロナ禍は、この社会と人間のありようを試しているのだと思う。