映画備忘録。4月26日。
今泉力哉×城定秀夫のコラボ、2本を続けて。
1本目
『愛なのに』(2022年製作/107分/R15+/日本/脚本:今泉力哉・城定秀夫/監督:城定秀夫/出演:瀬戸康史 佐藤ほなみ 河合優実 中島歩/公開2025年2月25日)
狭い世界の男女の物語。
『街の上で』の同工異曲?なのに、面白い。
常に変化する人と人との微妙な距離感をほんとうによく描いている。脚本の妙と演出、演技の巧さ。含み笑いを誘われる。
R15+ということでベッドシーンが何回か。これがちゃんと位置づいているのがいい。
超いい男の中島歩の「ヘタ」が面白い。
ストーリーの先の展開を読むのだが、ことごとく外されていく心地よさ。
役者が生き生きしているように感じられるのは、演出のせいか。
瀬戸康史、河合優実のやり取りが自在かつ安定感があって小気味いい。
河合は『由宇子の天秤』では難しい少女の役だったが、本作では一転、一点の曇りのない明るい女子高生。キネマ旬報新人賞はだてでない。
『偶然と想像』でも印象の強かった中島歩も味があっていい脇役。
愉しめた。
2本目
『猫が逃げた』(2021年製作/109分/R15+/日本/脚本:城定秀夫・今泉力哉/監督:今泉力哉/出演:山本奈衣瑠 毎熊克哉 他/2022年3月18日公開)
『愛なのに』で古書店の前でくつろぐネコ「カンタ」と『猫が逃げた』の漫画家夫婦の飼い猫「カンタ」が共通の「配役」。『愛なのに』ではわき役だった毎熊克哉が『猫が逃げた』では準主役。
『愛なのに』が非対称の男女関係だったのに対し、こっちは猫をはさんで対称形の関係。そのぶん、わざとらしさ、作り物っぽさが先に来て、出来はいまいち。
ラスト近く、隠してきた関係が互いにわかってしまい、4人が集まり、議論?するシーンがあるが、面白くないわけじゃないけれど・・・。もっと楽しませてほしかった。
井之脇海という役者が印象に残った。『ONODA』でもよかった。