万が一、ダムが決壊すれば下流域は大変な被害を受けることになることは必定なのだから、素人目にも事前放流、事前調節こそ重要だと思うのだが、それがなされなかった理由は何なのだろう。

台風19号の人的被害は、13日現在で11県で33人死亡、19人行方不明(共同通信)。

21河川で決壊が起こり、各地で広域浸水が発生している。

 

昨日、相模川上流の城山ダムの緊急放流について書いたが、今朝の新聞では4県6ダムが緊急放流を行ったとのこと。

 

美和ダム(長野県・国の管理)・高柴ダム(福島県)・水沼ダム・竜神ダム(茨城県)塩原ダム(栃木県)・城山ダム(神奈川県)

 

それぞれのダムの緊急放流が下流域の氾濫や決壊とどう因果関係があるのか、まだ報道はない。

f:id:keisuke42001:20191014115851j:plain 美和ダム

 

昨日、大量の降雨が予想される場合は、ダムは事前に少しずつ放流をしているのだろうと書いたが、今回、報道ではどのダムも事前の水位調節はしていなかったという。

 

西日本豪雨下流で犠牲者が出たことに対して、国交省有識者会議が行った提言の対策のひとつが、大雨の前に工業、農業用水としてためている水を放流し、水位を低くしておく「事前放流」だったというのだが。

 

南の海上で19号が発生した段階で、今回かなりの風雨が予想もされていた。6日のことである。その段階で事前放流を始めていれば、12日夜から13日未明に、幾つもの河川が氾濫危険水域を超えている中での「緊急放流」は、せずに済んだのではないか。少なくとも、放流の量として「緊急」というほどの量にならずに、少なくて済んだのではないか。

 

素人が疑問に思うのは、川が氾濫しかけているのに、なぜ火に油を注ぐようにダムの水を放流するのか、ということだ。

万が一、ダムが決壊すれば下流域は大変な被害を受けることになることは必定なのだから、素人目にも事前放流、事前調節こそ重要だと思うのだが、それがなされなかった理由は何なのだろう。知りたいものだ。

 

いまだに浸水、停電、断水が続いている地域が広範囲にある。物流も各地で滞っている。

 

これら被害には、当然人災的な要因があると思われるが、ダム「治水」の「ミス」もその大きな要因なのではあるまいか。

 

いっとき建設が中止された八ッ場ダムは、来春の運用開始の前におりもおり10月1日、貯水試験を始めたという。3~4か月かかってためる予定のところが、台風19号の影響で13日には満水時の水準(583㍍)まで10㍍に迫ったという。2日間で水位上昇は54㍍。

 

なんだか不安になる数字ではある。

f:id:keisuke42001:20191014121905j:plain八ッ場ダム