「なあに、少しの間だけ殊勝にしていればいいのさ。こんなもの、すぐ収まるから。いいか、発言の撤回とか謝罪はしてはいけないよ。その意味では君の事務所のコメントはなかなかよくできている。あれでいいんだ。いいか、あなたの後ろには味方がたくさんいる。これからもはっきりものを言うことが大事だ。君にはしかるべき働きを期待しているからね」

    また猛暑がぶり返した。

    以前はエアコンのつけっぱなしはからだに悪いと、タイマーをかけて寝ていたが、タイマーが切れたあとかえって寝苦しくなるので、ここ1,2年は弱めにつけっぱなしにしている。

    からだが冷えてしまうようなので、3時過ぎ、テラスを開け放しエアコンを止める。外はまだ真っ暗だ。

   外と中の温度はほとんど同じになっている。26℃ぐらいか。扇風機はつけっぱなしにしておく。また少し浅い眠りがやって来る。気がつくと目覚まし時計が4時を示している。

    遠くから鳥のなき声が聞こえてくる。フェードインするように少しずつ大きくなって寝床まで届いてくる。目を覚ましたつれあいが、昨日眠れなかったという。歳を重ねるにつれ、睡眠の質が変わってくるものだ。不眠はつらい。


    夜が明け始めている。鳥の声にミンミンゼミの啼き声が重なり、ときおりひぐらしがそれに加わる。部屋を閉め切っていれば聴こえない音のかさなり。暑苦しい音だが、この時間なら許せるような気がする。今日はこのまま起きてしまった。
 
 杉田議員の「生産性」発言に対する予想を超える反発に、自民党が火消しを始めた。

 総裁選を前にして、このままではやばいと判断したということだ。

「理解不足と関係者への配慮を欠いた表現があることも事実」「本人には今後、十分注意するよう指導した」

 と発表したが、これに呼応して杉田議員は「真摯に受け止め、今後研鑽に努めていく」という事務所のコメントを発表した。

 謝罪も撤回もない。つまり自民党は本気で指導したわけではないということだ。
 

 これって最近の自民党のやりかた。安倍総理自身がそうだ。形だけ一歩引くが、撤回したり、辞めさせたりはしない。粛々と職務に専念していただく、といった具合だ。

 ところで、これでこの問題が終わるとすると、だれが得をしたことになるのか。私は杉田議員だと思う。

 なんと言っても彼女は今度のことで、安倍総理日本会議に近い人物としての地歩を固めることができた。なかなかにきれいなお名前もしっかり売って、右派議員としての位置を確固たるものしたということだ。

 彼女の後ろからやってきて、


「なあに、少しの間だけ殊勝にしていればいいのさ。こんなもの、すぐ収まるから。いいか、発言の撤回とか謝罪はしてはいけないよ。その意味では君の事務所のコメントはなかなかよくできている。あれでいいんだ。いいか、あなたの後ろには味方がたくさんいる。これからもはっきりものを言うことが大事だ。君にはしかるべき働きを期待しているからね」


と肩をたたいて立ち去る男の姿が見えるような気がする。


 アドバルーン?観測気球?の手法だ。少しずつ免疫をつくっていく。そのうち、それもありかな?という人が増えてくる。問題は対象化されてしまい、新たなシステムの基盤が揺らいでいく。
 

 ゆめゆめこんな手法に騙されてはなるまい。

 

「同性愛は趣味みたいなもの」という谷川議員の発言も、単なるあさはか、短慮男の発言というより、どこかにLGBTの人たちを軽く見る、異形視する民衆の無意識に手を突っ込んでかき回す役割を演じているように見える。

 

 

 

 文科省汚職が止まらない。次官までが取り調べを受ける。もてなす側は月に600万円も使ったという。組織ぐるみということだ。官僚のプライドなど微塵も感じられない。集配係?いえいえ収賄係。

 贈賄先の東京医科大は女子を一律減点していたという。本来女子の方が得点が高いにもかかわらず、女子は医師となっても「離職率が高い」ので、それを回避するためにとった措置だという。女子の離職率が高いのはなぜかという問題を問わずに、入り口を狭めれば全体の離職率が下がるだろうという浅慮。女子にはいい迷惑だ。先に一律減点だよ!っていうのなら・・・、だれも受けないか。


 医師の長時間労働が問題になっても、働き方改革は進まない。無定量の超過勤務に残業代も請求出来ない医師が多くいるのが現実だ。その中で女性はせっかく医師となっても、産む性であり、育てる性とならざるを得ない状況の中で離職率が上がってしまうのは必然であるし、それはまさに政治の問題。なのにそれを大学の入り口で操作しようとするやり方は、問題を隠蔽し本質から目をそらさせる悪弊しか産み出さない。裏口入学に手を染め、女子の入口を狭める。「大学を守る」の意味が違いすぎる。


 それにしても、あちこちの強面のおっさんたちのやりたい放題ぶりはどうしたことか。特にスポーツがらみのおっさんたちはひどい。大相撲、日大アメフト、女子レスリング、日本ボクシング連盟・・・。おっさんたちはみな同じような雰囲気をまとっている。

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凄いツーショットだ。(写真はネットから)


 今日テレビを見ていて、ついひとりで爆笑してしまった。件の日本ボクシング連盟の山根会長の携帯の呼び出し音が「ゴッドファーザーのテーマ」だった。たちの悪いテレビのおふざけかと思ったら本当だった。 

 白い背広に白いマフラーの写真が出ていたけれど、勘違いも甚だしい。

 

 暑苦しいことこの上ない毎日なのに、気候以上に暑苦しいおっさんたちの所業だ。
そうして、いつだって選手や学生が嫌な思いをするのだが、おっさんたちの跳梁批判をその日暮らしのワイドショーに任せないで、学生や選手がもっと表に出て批判ができないものか。当事者性ということならば、当の学生や選手が自ら調査委員会を組織してもいいと思うのだ。

 というのも、私はどうもあの「第三者委員会」というのが信用しきれないのだ。いじめ問題でもそうだが、第三者とは名ばかりの第二者に近いものも少なくない。

 学識経験者や弁護士が常に公平公正とは限らない。横浜では福島からの避難者いじめ事件の第三者委員会に元教育委員会の役人がちゃっかり大学教授という肩書で入っていた。第三者って簡単にはなれない。


 日本全国、実はいたるところにミニ田中やミニ山根、ミニ内田がいると思う。テレビを見ながら、ひどいもんだといいながら、自分も気がつけばミニ○○をつくっている一員になっていないとも限らない。言いたいことが言えない、そういう状況があるのなら、ミニがそのまま大きくなっていく可能性が高いということだ。

 

 老人のくりごとになってしまった。今日は、映画『パティ・ケイクS』と『女は二度決断する』に触れようと思ったのだが。

 

 

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