2018-06-17から1日間の記事一覧

映画にみる難民問題④ みなどこかで愚かで温かい素敵な人々の・・・と言い切れないヨーロッパの現実と日本

もう一本『はじめてのおもてなし』(2016年・ドイツ・116分)も難民問題を題材とした映画だ。原題は『Willkommen bei den Hartmanns』(ハートマン家へようこそ)。ハートマン家に一人の難民の青年を受けいれるという意味で、日本の配給会社は邦題に「おもて…

映画にみる難民問題③ ガラス細工のように壊れやすい「希望」を追い求めるカウリスマキへの共感

一方,『希望のかなた』は少し趣きが違う。あらすじを少しだけ。 舞台はヘルシンキ。トルコからやってきた貨物船に身を隠していたカーリド。シリア・アレッポで家族を失い,たったひとり生き残った妹と生き別れに。彼の願いは妹を探し出し,ここヘルシンキで…

映画にみる難民問題②『ル・アーヴルの靴みがき』市井の人々と移民難民問題

『ル・アーヴルの靴みがき』(原題:Le Havre フィンランド・フランス・ドイツ・93分)は,2011年の映画である。監督はフィンランド人のアキ・カウリスマキ。日本での公開は2012年だが,昨年暮れに同じ監督の『希望のかなた』(原題:Toivon tuolla puolen<…

映画にみる難民問題①~日本にはほんとうに難民問題はないのか?

労働問題などもそうだが,日本でつくられる映画にはテーマとならないものがいくつかある。難民問題もその一つである。 今もシリアやアフリカから難民らが押し寄せ続けているヨーロッパでは,難民問題は政治課題のトップと言っていい問題である。数年前までは…