東北も梅雨に入ったようだ。
朝から雨。寒くはないし、風もない。今日は外を歩くことはないから安心。
駅からタクシー。
12、3分で飯森山公園の土門拳記念館。
9時開館。
受付はすでにスタンバイ。9時前だが入れてもらえる。
ここは日本初の写真記念館だそうだ。建築設計は谷口吉生。
自然林を借景に大きな池が配され、建物自体が美術品のよう。イサムノグチの彫刻や草野心平の揮毫なども。
ほぼ1時間、写真だけをこんなふうに見るのはあまりないこと。人間臭い土門の姿が随所に見えて楽しかった。
ほぼ同年代の植田正治の作品も面白かった。
雨の中、事務室で呼んでもらったタクシーに乗って再び酒田駅へ。
酒田、遊佐、象潟、にかほ、羽後本荘、そして秋田である。
海が見えるというので、AB席を取ってあった。
北陸線の日本海は見たことがあったが、羽越線からの日本海は初めて。
全国各地、それなりに回ったと言っても、いつもどちらかといえばタッチアンドゴー。じっくりと景色を眺めることはなかった。
お昼前に秋田着。
二日間ともお昼をしっかり食べたので、この日は簡単に。私は缶ビールとつまみだけ。
今度は秋田新幹線こまち24号に乗り換える。
1時間で田沢湖。13時過ぎ。
雨もよい。
乳頭温泉行きのバス乗り場を確認して、すぐ近くでカフェを開いているYさんのお店を探す。
店名「モロビ」、こうした名前をつけるところにYさんのユニークさがある。由来をぜひ調べてみてください。
すぐに見つかる。駅から歩いて1分かからないところに、小さな素敵なカフェ。
お会いするのは二人とも8年ぶりか。
お店を開いて7年になるそうだ。
先客が3人、私たちの後から2人。繁盛している。
Yさん、給仕をしながら相手をしてくれる。
教員のYさんしか知らない。
たった一人での再出発。
コロナもあった。苦労が多かったはず。
あんまりお邪魔をしてはと、40分ほどで辞去。
なんと明日はホテルまで迎えに来てくださるという。
モロビ、厨房の様子
驚かされたのは定休日。
店の中にかわいい表示があって、「月、火、水、3月」。
14時20分発の乳頭温泉行きのバスの中で、「どっか他の人と違うんだよね」とMさん。同感。
さてこのバス、ガイドブックにはホテルのある停留所まで30分とあったが、30分経っても着く気配なし。雨の中、バスは田沢湖を少し掠めて、駒ヶ岳を登る。
羽越交通上高原温泉下車。45分かかる。
10数年ぶりのプラトーホテル。
今回、ここに泊まるのも目的の一つ。
建物は全体に少し古びた。
部屋は新しく設えたかなり広くて天井の高いコテージ。
傘をさして往復するのは少し難儀だが、落ち着いた雰囲気。
ここの風呂は素晴らしい。木組みのかなり広い内風呂。
都合三度入ったが、どの回も一人だった。
3日目、洗濯物も溜まったので、洗濯をすることに。
その間に久しぶりに卓球。2ゲーム。引き分け。
ここには体育館や音楽ホールまであるそうな。
何やかやとせわを焼いてくださるスタッフは、以前訪れた時にもいらっしゃった方のようだ。
受付に大きなゴールデンレトリバーが坐って私たちを迎えてくれたことをお話しすると、何代かの犬のことを教えてくれた。
あちこちに飾ってある野鳥の写真は、このスタッフのもの。
ロビーの大型テレビにはやはり野鳥の観察の様子が流れている。
夕食。これも以前同様、囲炉裏で。
きりたんぽにあゆの塩焼き、海鮮焼きなど、満足。給仕のスタッフも感度良く対応。
お酒は抑え気味。標高900m、静かな夜が暮れていく。