6月のあれこれ⓶ 東北の旅その3 土門拳記念館、特急いなほで秋田、秋田新幹線こまちで田沢湖、旧知のYさんと再会、プラトーホテルに向かう。


東北も梅雨に入ったようだ。

朝から雨。寒くはないし、風もない。今日は外を歩くことはないから安心。

駅からタクシー。

12、3分で飯森山公園の土門拳記念館。

9時開館。

受付はすでにスタンバイ。9時前だが入れてもらえる。

ここは日本初の写真記念館だそうだ。建築設計は谷口吉生

自然林を借景に大きな池が配され、建物自体が美術品のよう。イサムノグチの彫刻や草野心平の揮毫なども。

ほぼ1時間、写真だけをこんなふうに見るのはあまりないこと。人間臭い土門の姿が随所に見えて楽しかった。

ほぼ同年代の植田正治の作品も面白かった。

 

雨の中、事務室で呼んでもらったタクシーに乗って再び酒田駅へ。

 

10時30分発の特急いなほ羽越本線を北上、秋田に向かう。

酒田、遊佐、象潟、にかほ、羽後本荘、そして秋田である。

海が見えるというので、AB席を取ってあった。

北陸線日本海は見たことがあったが、羽越線からの日本海は初めて。

全国各地、それなりに回ったと言っても、いつもどちらかといえばタッチアンドゴー。じっくりと景色を眺めることはなかった。

 

お昼前に秋田着。

二日間ともお昼をしっかり食べたので、この日は簡単に。私は缶ビールとつまみだけ。

今度は秋田新幹線こまち24号に乗り換える。

1時間で田沢湖。13時過ぎ。

雨もよい。

乳頭温泉行きのバス乗り場を確認して、すぐ近くでカフェを開いているYさんのお店を探す。

店名「モロビ」、こうした名前をつけるところにYさんのユニークさがある。由来をぜひ調べてみてください。

 

すぐに見つかる。駅から歩いて1分かからないところに、小さな素敵なカフェ。

お会いするのは二人とも8年ぶりか。

お店を開いて7年になるそうだ。

先客が3人、私たちの後から2人。繁盛している。

Yさん、給仕をしながら相手をしてくれる。

教員のYさんしか知らない。

たった一人での再出発。

コロナもあった。苦労が多かったはず。

あんまりお邪魔をしてはと、40分ほどで辞去。

なんと明日はホテルまで迎えに来てくださるという。

モロビ、厨房の様子

驚かされたのは定休日。

店の中にかわいい表示があって、「月、火、水、3月」。

14時20分発の乳頭温泉行きのバスの中で、「どっか他の人と違うんだよね」とMさん。同感。

さてこのバス、ガイドブックにはホテルのある停留所まで30分とあったが、30分経っても着く気配なし。雨の中、バスは田沢湖を少し掠めて、駒ヶ岳を登る。

羽越交通上高原温泉下車。45分かかる。

 

10数年ぶりのプラトーホテル。

今回、ここに泊まるのも目的の一つ。

建物は全体に少し古びた。

部屋は新しく設えたかなり広くて天井の高いコテージ。

傘をさして往復するのは少し難儀だが、落ち着いた雰囲気。

 

ここの風呂は素晴らしい。木組みのかなり広い内風呂。

都合三度入ったが、どの回も一人だった。

3日目、洗濯物も溜まったので、洗濯をすることに。

その間に久しぶりに卓球。2ゲーム。引き分け。

ここには体育館や音楽ホールまであるそうな。

 

何やかやとせわを焼いてくださるスタッフは、以前訪れた時にもいらっしゃった方のようだ。

受付に大きなゴールデンレトリバーが坐って私たちを迎えてくれたことをお話しすると、何代かの犬のことを教えてくれた。

あちこちに飾ってある野鳥の写真は、このスタッフのもの。

ロビーの大型テレビにはやはり野鳥の観察の様子が流れている。

 

夕食。これも以前同様、囲炉裏で。

きりたんぽにあゆの塩焼き、海鮮焼きなど、満足。給仕のスタッフも感度良く対応。

 

お酒は抑え気味。標高900m、静かな夜が暮れていく。