『成れの果て』脚本が脈絡がついていない。 芝居の翻案のせいか演技は過剰だが、盛り上がらない。

映画備忘録①

2月11日、あつぎのえいがかんkikiで2本。

 

『成れの果て』(2021年製作/81分/G/日本/脚本:マキタカズオミ/監督:宮岡太郎/出演:萩原みのり 柊瑠美 木口健太ほか/2021年12月3日公開)

 

劇作家・映像作家マキタカズオミ主宰の劇団「elePHANTMoon」が2009年に上演した同名戯曲を、「転がるビー玉」の萩原みのり主演で映画化したヒューマンドラマ。東京でファッションデザイナーの卵として暮らす小夜のもとに、故郷で暮らす姉あすみから連絡が入る。婚約が決まったという姉に祝福の言葉をおくる小夜だったが、その相手は、8年前に小夜の心に大きな傷を残した事件に関わった布施野だった。居ても立ってもいられず友人エイゴを連れて帰郷した小夜は布施野と8年ぶりに再会し、順風満帆な人生を歩む彼にいらだちを募らせる。そして小夜の出現をきっかけに、あすみに思いを寄せる幼なじみや事件現場に居合わせた布施野の友人ら、それぞれ思惑を抱える人々の業があぶり出されていく。共演は「千と千尋の神隠し」の主人公・千尋の声で知られる柊瑠美、「おんなのこきらい」の木口健太、「カメラを止めるな!」の秋山ゆずき。「gift」「恐怖人形」の宮岡太郎監督がメガホンをとった。(映画ドットコム)

 

冒頭、古い家でひとりプリンかなんかを食べている姉。スプーンがプラスチック容器をかさかさこする音。

妹に電話をする。「結婚する」「どんな人?」

空気が変わる。なんかいい雰囲気で始まるのだけれど。

 

基本的に脚本が脈絡がついていない。

芝居の翻案のせいか演技は過剰だが、盛り上がらない。

周囲の人間は、同居の女、いじめられていた同級生、布施野の友人、その彼女で小説家志望・・・みなそこそこ面白いのだが、ストーリーの中心にあるレイプ事件がよくわからない。

レイプした男が自分の姉と結婚する。

その男が「僕だって辛かった」

その男がレイプの話を営業トークに使っている?

 

とにかくあちこち破綻だらけ。

最後の姉の演技は鬼気迫るが、ストーリーの背景の密度が薄すぎて伝わってこない。

残念。

 

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2月14日 8時ごろ。