年末の備忘録。映画2本。大腸内視鏡検査にコンサート、そして小旅行。

今年も残すところ1日となった。

大雪の被害に悩まされている地域が多い中、ここ関東南部、神奈川西部は穏やかな天候が続いている。

境川の水辺は、鳥たちがまるで井戸端会議をしているようなにぎやかさだ。

年末のせいか今朝は遊歩道に人通りが少なく、いつもより周りの空気に音が吸い込まれ、静けさが深いように感じられた。せせらぎもひときわだって耳に届いてきて、水筒のお茶が肚を温めてくれる。

 

年末の備忘録。

12月19日、kikiで2本。

monday/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』(2022年製作/82分/G/日本/脚本:夏生さえり 竹林亮/監督・竹林亮/出演:円井わん マキタスポーツ他/日本公開2022年10月14日)

 

時間調整のつもりで見たのだが、面白かった。

何度も繰り返される月曜日、気づいた人間が増えていく。最後は上司のマキタスポーツの漫画家志望の物語にたどり着く。彼に気づいてもらい、彼の物語を完成することがループを止める手立て。

面白い。繰り返すループの中で人間関係が変わっていく。同僚の知らない部分に気が付いていく。

ループ映画というジャンルがあるらしいが、私は知らない。知らなくても楽しめる不思議な魅力のある映画。

マキタスポーツは、あくの強い役柄よりこの映画のようなほんわかした役が意外に合う。円井わんは独特の魅力。

2本目。

ペルシャン・レッスン』(2020年製作/129分/G/ロシア・ドイツ・ベラルーシ合作
原題:Persian Lessons/脚本:イリヤ・ゾフィン/監督:バディム・パールマン/出演:ナウエル/ベレーズ・ビスカヤ―ド他/日本公開:2022年11月22日)

 

第2次世界大戦時にナチスドイツの強制収容所に入れられたユダヤ人の青年が、自身をペルシャ人と偽り、架空のペルシャ語のレッスンを行うことで生き延びていく姿を描いた戦争ドラマ。
第2次世界大戦中、ナチス親衛隊に捕まったユダヤ人青年のジルは、自分はペルシャ人だと嘘をついて処刑を免れ、一命を取り止める。しかし、そんなジルに、将来イランのテヘランで料理店を開きたいという夢を抱くナチス将校のコッホ大尉が、ペルシャ語を教えるよう命じてくる。とっさに自ら考えたデタラメの単語をペルシャ語と偽って披露したジルは、コッホ大尉の信用を取り付けることに成功するが、その後も偽のペルシャ語レッスンを続けることになり……。(映画ドットコムから)

実話をもとにしたドラマ。

ナチスの描き方のリアルさ、ストーリーの展開の巧みさ、ペルシャ人になりすますユダヤ人のジルとコッホ大尉の演技の深さ、ラストシーンの面白さ。どこをとっても一級品。

片や敗戦を察知し、大尉はナチスを離脱しテヘランに逃れる。

ジルは連合国軍に助けられ、殺されたユダヤ人の名前を問われるが。

どちらも予想できない展開。

2人の男は敵味方として生きのびるために懸命の努力をするが…。

 

12月20日

今年最後の授業。初めて28人全員出席。やや気が抜けたところあったので、注意する。

授業の終わりに年末抽選会。4冊の拙著をじゃんけんでプレゼント。

帰途、友人のMさんに会う。

 

12月22日、

大腸の内視鏡検査。10月の大腸がん検診で2年前と同様に便潜血

朝から気重の大腸洗浄。

12時から検査。がんはなかった。またポリープが見つかる。しかし諸般の事情から切除できず。半年か1年後に再び、ということに。

 

12月24日、

あざみ野フォーラムレクチャールームにて

『四季 ヴィヴァルディ× ピアソラ

14時30分開演。友人のAさん夫妻も見える。

指揮の予定だったタラス・デムスチンさんがウクライナを出国できないということで、

急遽、ソリストの松本紘佳が弾き振り。

若手の弦楽器奏者の集団をコンサートミストレスの皆川櫻子、第2ヴァイオリンの澤野慶子、チェロのドミトリ・フェイギン、ヴィオラの梯孝則がそれぞれ率い、躍動感のある素晴らしいまとまりを見せた。チェンバロは村井頌子が務めた。

 

松本はすべて暗譜でキレよく弾き振りで合奏をリード、自身もアドリブ部分を闊達かつ優雅に演奏、今まで『四季』はずいぶん聴いてきたが、初めて聴くパラフレーズがいくつも。久しぶりにヴィヴァルディの四季全曲50分を堪能した。個人的には、松本とフェイギンの2重奏部分に惹きつけられた。

ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」は独特の色調で、途中ヴィヴァルディが入りこんでくるなど、自由闊達で楽しめる曲。

若い女性の弦楽器奏者が集中力を切らさず、最後まで素晴らしいまとまりを見せた。

 

12月28日

次女の家族4人と夫Aさんのご両親と山中湖で1泊。長男A君の誕生会を兼ねて。

それぞれ3か所から集まる。

私たちは、小田急開成駅から送迎バスで1時間10分。

開成駅近くの万福という街中華で昼食。閑散とした街並みの中に行列。人気店のようだ。

荒々しい雪の富士山を間近で見た。

山中湖は大学3年の時に1か月間、旅館の住み込みのバイトをしたところ。ふとん敷き

店番、部屋割り、今はなくなった公給領収証まで書かされた。

今回、宿泊したエクシブ山中湖は、旅館のあった中心街旭日丘の対岸にあたる。

 

今は河口湖で行われているジャズフェスティバル、かつてはこの山中湖で行われていた。2度、来たことがある。

アート・ブレーキ―の演奏を聴いたのもここ。プレーヤーはみな対岸からステージまで船でやってきた。

アート・ブレーキ―が亡くなったのは1990年ということだから、MさんとIさん夫妻の4人で訪れたのは、80年代半ばのこと。まだ30代だった。

 

ジャズドラマー「アートブレイキー(Art Blakey)」 | ドラムな音楽な人生~♪

 

1年間、お付き合いくださりありがとうございました。

書き残したことはいくつもあるが、2022年のブログはこれで終わり。また来年よろしくお願いしたい。

良いお年を。