12月のあれこれの(4)。
28日、川崎にある岡本太郎美術館へ2人で出かける。
一度行ってみたいと思いはじめて何年にもなる。ようやく願いが叶った。
遠くて行くのが面倒と考えていた節がある。実際に行き方を交通アプリで検索してみると、南町田グランベリーパークまでバス。田園都市線で中央林間。小田急線に乗り換えて向ヶ丘遊園からバス。最低でも1時間半以上かかる。
南町田グランベリパーク駅までのバス時間によっては、アプリは田園都市線新百合ヶ丘からバスを示す。あるいは溝の口経由も。
新百合が丘経由だと、時間は1時間と少し。バスの発着がそれぞれ横浜市内のためシルバーパスも使える。
新百合ヶ丘からの東急バスは、美術館のある生田緑地まで多少迂回しながらゆっくり進む。アプリでは20分とあったが、実際には30分近くかかった。
バス停を降りたところでにある民家の前でとらねこが寝そべっている。これがなんとも愛想がいい。擦り寄ってきて鼻出ててくれとせがむ。通りすがりの人たちが変わるがわるこれに付き合っている。
バス停からだらだら坂を上ると右側に「民家園」。かなりの数の古民家があるとのこと。さらに進むと左側に「かわさき宙と緑の科学館」。その前にが大きな広場になっている。
時間はお昼を過ぎている。朝食を食べ終わるのが毎日6時半ごろだから、昼には肚がすく。ベンチを見つけ、持って来たおにぎり弁当を開く。
Mさんの大きなバッグからはバナナやお菓子などいろいろな副食物が出てくる。
先に進むと、奥の方に美術館が見えてくる。
空から見るとこんなふうに見える。かなり大きな建物。
券売機の前で係の女性に生年月日を言うと、証明書なしでシルバーと認めてくれる。
640円は今時の美術館では破格。川崎市の運営だからか。ちなみに横浜美術館の企画展は2000円ほどだ。
この美術館、いわゆる「順路」がない。どこをどう回っても良い。もう一つ、撮影自由。
この二つだけで気分が良くなる。
岡本太郎は、『岡本太郎の沖縄』というドキュメンタリー映画が印象が強い。それと赤坂憲雄の『岡本太郎が見た日本』(岩波現代文庫)『岡本太郎という思想(講談社)』はうろ覚えだが、読んだ。
岡本太郎というと「太陽の塔」だが、直接目にしたものでは渋谷の駅の巨大壁画「明日の神話」のインパクトは尋常ではなかった。
かなりの数の作品を展示しているこの美術館は、本物に触れるという意味で貴重なところ。
小一時間だったが、とにかく愉しかった。なんというか気持ちが沸き立つというか、アタマとカラダが「場」共鳴しているような感覚があった。
浅井裕介の作品
「在処」(2024年、作家蔵)靴を脱いで歩けます。
地元の川崎の土を中心に、これまでに淺井さんが訪れた様々な土地の土、弁柄、炭などすべて自然の色で作られています。太古から現代に至る大地の記憶を封じ込めたような両作品です。(美術館HPから)
岡本太郎の原画
福田美蘭の作品
岡本太郎作品でも人気の高い『森の掟』をモチーフにした同名作。「あのチャックを開いてみたい」と思った方は少なくないでしょう。それをズバリやってくれました。中身は空っぽです。(美術館HPから)
絵の意味など考えないし、考えてもよくわからない。ただ、繰り返すが、沸き立つような、浮き立つような気持ちは、自分でも心地よいものだ。岡本太郎は愉しい。
また来てみたい。