『ロイヤルホテル』・・『アシスタント』とのコンビが作ったにしては奥行きを感じさせない映画だった。

2024年9月の映画寸評①

<自分なりのめやす>

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みる価値あり   ⭐️⭐️⭐️⭐️

時間があれば    ⭐️⭐️⭐️

無理しなくても  ⭐️⭐️

後悔するかも   ⭐️

(65)『ロイヤルホテル』(2023年製作/91分/G/オーストラリア原題または英

題:The Royal Hotel/監督:キティ・グリーン 出演:ジュリア・ガーナー ジェ

シカ・ヘンウイックほか/劇場公開日:2024年7月26日)

               9月2日 kiki   ⭐️⭐️⭐️

「アシスタント」の監督キティ・グリーンと主演ジュリア・ガーナーが再タッグを組んだスリラー映画。女性バックパッカー2人がオーストラリアのパブで働く中でハラスメントを受ける様子を記録した2016年のドキュメンタリー映画Hotel Coolgardie」に着想を得て、オーストラリアの寂れたパブでアルバイトする女性2人に襲いかかる悪夢のような出来事を描く。

ハンナと親友リブはオーストラリア旅行中にお金に困り、荒野に建つ古いパブ「ロイヤルホテル」に住み込みでバーテンダーとして働くことに。しかし彼女たちを待ち受けていたのは、飲んだくれの店長や粗野な客たちが起こすパワハラやセクハラ、女性差別の連続だった。楽観的なリブは次第に店に溶け込んでいくが、真面目なハンナは孤立して精神的に追い込まれ、2人の友情は崩壊していく。

ガーナーがハンナ、ドラマ「アイアン・フィスト」のジェシカ・ヘンウィックがリブ、「マトリックス」シリーズのヒューゴ・ウィービングがパブの店長を演じた。

『アシスタント』は、先月配信で見た。息が詰まるようなシーンの連続で、きっちりとした主張もあり、映画としてもとっても雰囲気のある完成度の高い作品だと思った。

で、本作。ほとんどのシーンは荒野の一軒家のパブの中と外だけ。それだけで最後まで見せる演出はすごいが、これはあまり出来の良くないホラー。

ワーキングホリデーでオーストラリアに来たカナダ人の若い女の子二人。お金がなくなり、自ら危険な「ロイヤルホテル」に赴く。宣伝惹句では、客の荒くれ男たちや店主の男の凄まじいセクハラ、パワハラにふたりの若い女の子は・・・というものだが、二人の女子は男たちに対し、というか危機に対する立ち向かい方が全く違うが、何とも通俗的。好きなようにやればという感じだ。

ラストシーンは、ホテルに火をつけ、振り向かずさっていく彼女たちの姿が映されるが、マカロニウエスタンのような。

それよりも、男たちはよくよく見れば案外に従順なやつばかりで、変な男を追い払ってくれたり、無理な要求から守ってくれたり・・・。ホラーにもなっていないのは男たちがどこか優しいから?

『アシスタント』とのコンビが作ったにしては奥行きを感じさせない映画だった。

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