『密輸1970』  韓国映画とりわけクライムアクション?にはいつもやられる。

2024年8月の映画寸評⑥

<自分なりのめやす>

お勧めしたい   ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

みる価値あり   ⭐️⭐️⭐️⭐️

時間があれば    ⭐️⭐️⭐️

無理しなくても  ⭐️⭐️

後悔するかも   ⭐️

(63)『密輸1970』(2023年製作/129分/G/韓原題または英題:Smugglers(密輸業者)/脚本:リュ・スンワンほか/監督:リュ・スンワン/出演:キム・ヘス ヨム・ジョンア キム・ジョンスほか/劇場公開日:2024年7月12日)

                 kiki 8月17日⭐️⭐️⭐️⭐️

海を舞台に巨額の金塊を巡って繰り広げられる騙し合いの行方を実話に着想を得て描き、2023年・第44回青龍映画賞で最優秀作品賞など4冠に輝いたクライムアクション。

1970年代半ば。韓国の漁村クンチョンでは海が化学工場の廃棄物で汚染され、海女たちは失業の危機に瀕していた。リーダーのジンスクは仲間たちの生活を守るため、海底から密輸品を引きあげる仕事を請け負うことに。しかし作業中に税関の摘発に遭ってジンスクは逮捕され、親友チュンジャだけが現場から逃亡する。2年後、ソウルからクンチョンに戻ってきたチュンジャは、出所したジンスクに新たな密輸の儲け話を持ちかける。密輸王クォン、チンピラのドリ、税関のジャンチュンらさまざまな者たちの思惑が入り乱れるなか、海女たちは人生の再起をかけた大勝負に身を投じる。

「国家が破産する日」のキム・ヘスがチュンジャ役、「完璧な他人」のヨム・ジョンアがジンスク役を務め、「モガディシュ 脱出までの14日間」のリュ・スンワンが監督を務めた。

ヨム・ジョンアとキム・ヘス、どっちがストーリーの中心かと思って見始めたが、予想に反して(予想はヨム・ジョンア)キム・ヘスが奔放で素晴らしい演技。『国家が破産する日』でもよかったが、この映画では魅力全開という感じだ。

キム・ジョンスの顔が出てきた段階でたいがい先は読めたが、それでも面白さは減じない。『モガディシュ 脱出までの14日間』という忘れられない傑作をものしたリュ・スンワン監督、この映画でもどんでん返しに次ぐどんでん返しを画策、素晴らしいクライムアクション(というのだそうだ)に仕上げた。

見どころは、ストーリーの展開はもちろん、それ以上に何と言っても擬闘シーンがいい。屋内での擬闘も迫力十分だが、本作は何と言っても海中の擬闘シーン。ラストの海女の集団の闘い、キャストはもちろんだが、撮影の技術の凄さ、迫力に驚くばかりだ。

いつものことだが、韓国映画にはやられる。

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