『朽ちないサクラ』公安警察の汚さ、よく晒してくれた。

2024年7月の映画寸評⑦

<自分なりのめやす>

お勧めしたい   ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

みる価値あり   ⭐️⭐️⭐️⭐️

時間があれば    ⭐️⭐️⭐️

無理しなくても  ⭐️⭐️

後悔するかも   ⭐️

 

(57)『朽ちないサクラ』2024年製作/119分/G/日本/原作:柚月裕子/脚本:我人我人祥太 山田能龍/監督:原廣利/出演:杉咲花 安田顕 豊原功補他・劇場公開日2024年6月21日)   7月22日 kiki ⭐️⭐️⭐️⭐️+

 

孤狼の血」シリーズの柚月裕子による警察ミステリー小説を杉咲花の主演で映画化。杉咲演じる県警の広報職員が、親友の変死事件の謎を独自に調査する中で、事件の真相と公安警察の存在に迫っていくサスペンスミステリー。

たび重なるストーカー被害を受けていた愛知県平井市在住の女子大生が、神社の長男に殺害された。女子大生からの被害届の受理を先延ばしにした警察が、その間に慰安旅行に行っていたことが地元新聞のスクープ記事で明らかになる。県警広報広聴課の森口泉は、親友の新聞記者・津村千佳が記事にしたと疑うが、身の潔白を証明しようとした千佳は一週間後に変死体で発見される。後悔の念に突き動かされた泉は、捜査する立場にないにもかかわらず、千佳を殺した犯人を自らの手で捕まえることを誓うが……。

泉役を杉咲が演じるほか、安田顕萩原利久豊原功補らが顔をそろえる。監督は「帰ってきた あぶない刑事」の監督に抜てきされた原廣利。(映画.comから)

 

ひさしぶりに国産のサスペンスもの、楽しめた。面白かった。最後まで弛まず緊張感が保たれていた。権力の犬の汚さがよくわかる。公安をここまで表に晒した小説も映画もなかったのでは?映画『新聞記者』でも公安が描かれていたが、不気味さを醸すだけで実体を晒すまでは全くいかなかった。

屋上のシーンが多いのが気になったが、あとはおおむねリアル。安田顕の演技が、これでいいのか、物足りないのか、判断がつかなかった。もっとリアルに演じる人はいるだろうが、普通の人っぽい安田の演技が成功していると考えてもいいのかなと思う。原作に力が大きいが、脚本も成功していると思った。画像25