相撲の話

大相撲初場所、今日10日目。

照ノ富士は休場、結びの一番はすべて大関貴景勝。2日目に翔猿に負けたが、その後は勝ちっぱなし。7日目翠富士、8日目錦富士とのバシバシの張り手のたたき合い、2番とも貴景勝の方が鼻血をだしていたが、勝負は制した。大関に昇進したころのような充実感がある。

先場所優勝した阿炎、初日からの5連勝は圧倒的だったが、その後4連敗。

朝青龍の甥っ子の関脇豊昇龍、先場所のような勢いが今ひとつないが、それでも6勝3敗。

関脇若隆景と小結若元春の兄弟はともに5勝4敗の星。

星的には前頭下位の阿武咲と琴勝峰が2敗で、貴景勝を追っている格好。

毎日見ているが、とにかく面白い相撲が多い。元大関の御嶽海や正代は元気がないが、関脇、小結、前頭上位の相撲には躍動感、緊張感がある。

優勝は貴景勝の充実ぶりからし、決まりのようにみえるが、相撲そのものが毎日楽しめるはうれしい。

 

配信で偶然見つけた『若の花物語 土俵の鬼』を見た。1956年の作品。

驚くことに、二所ノ関部屋に入門しするところから、若の花の役を若の花自身が演じている。

青年時代の若の花を青山恭二。妻の役は北原三恵が演じ、母親役はあの田中筆子。

昭和でいえば31年。相撲が大人気のころの作品。

「田中筆子写真」の画像検索結果

この映画は本人が出演しているだけでなく、実際の相撲の取り組み場面には、本場所の映像をそのまま使っている。北葉山、朝潮などととの取り組みも。

この2力士だけでなく、顔を知っている力士が何人も登場する。

私が白黒テレビで相撲をよく見ていたのは小学校の頃、昭和30年代の後半。

若の花は憶えているが、既に柏鵬時代と言われた柏戸大鵬が活躍していたころだ。

この実写フィルムを見ると、今の力士に比べて当時の力士は体格的には小さめで、どちらかというと筋肉質に見える。しかし、かと言って筋肉質同士がアタマからぶつかり合っているかというと、そうでもない。意外に今の力士たちの方が、アタマからぶつかり合うことが多いように思えた。それより体重が全体に軽いせいか、相撲のキレはすごい。投げが決まるのも小気味いいほどだ。

 

テレビ中継を見ていると、満員御礼の札が毎日かかるわけではないことが分かる。両国場所は満員となることが多いようだが、地方場所は日によっては空席が目立つ。

不祥事もいろいろとある。新弟子の数もかなり減っている。

しかし、毎日1時間ほどだがテレビ観戦をしていると、気合の入った相撲が多いと思う。

平均身長が183㌢、体重150㌔超の若者が正面からぶつかり合う。体重差は禁じ手が多い分で相殺される。立ち合いは行司ではなく、力士同士がタイミングを決めるのにも勝負の妙味がある。個性的、魅力的な力士も多い。感情を出さないことになっているが、思わずもれてしまうのも面白い。正直、勝負のゆくえにはあまり興味がない。毎日の一番一番の、その中身が愉しみだ。

大磯町出身の湘南乃海が十両に初めて上がった。9日目までで7勝2敗。勝ち越しまであと1勝。194㎝164㎏の恵まれた体格、入門から9年、ようやく頭角を現し始めた。

神奈川県出身の関取は十両、幕内では湘南乃海ただ一人。

大相撲の全力士数は650人超。幕内・十両の関取は合わせて70人。

湘南乃海は幕下に6年いた苦労人。一場所7日間しかとらなかった相撲を、今場所は15日間連続でとることになる。その緊張感は推して知るべし。

今の位置は十両13枚目、負け越せば、またすぐ幕下に落ちる位置。

大銀杏を結い、白い足袋に雪駄を履き、紋付羽織袴を着られるのが関取。幕下とはその待遇に大きな違いがある。

あと一番、勝ってほしいと思う。「力士 湘南の海 写真」の画像検索結果