宮台真司さん復帰のこと、広島県教育長の官製談合疑惑のこと。

昨日、今日と、散歩道の畑に霜が降りていた。今年の初霜。

二十四節季の霜降は10月23日から11月6日、新暦ではちょうど今ころ。

気温は4℃を下回る。

 

今朝の散歩の途上、関さんという高齢の男性から鳥に関するトリビアを一つうかがった。

カワウとサギが一緒にいるのは、カワウが潜って水底をかき回したときに、小魚が水面近くに浮き上がったり飛び跳ねたりするのを、潜れないサギが捕食するのだという。

 

いつもカワウの近くにたくさんのサギがいる風景を目にしていたが、得心。今朝もたくさんのサギがぎゃあぎゃあと啼きかわしている傍で、カワウが数羽、潜水を繰り返していた。

なんでもガンガン食べてしまう川のギャングのカワウが、食べ物の魚をサギに回しているとは、驚いた。

 

一昨日の授業で「宮台真司さんって知っていますか?」と訊いてみた。

彼が暴漢に襲われたことは知っているようだが、彼のことは知らないという。

 

残念。

 

毎回、授業で、余談として映画1本、本1冊紹介している。10月3週目の授業の時に

岡崎勝さんと宮台さんの共著『子どもに語る前に~大人のための性教育』を紹介したのだが。

この時に大学・高校男子の性体験率のピークが2000年頃で、今では半減しているといった「性愛の劣化」について触れてみた。

お二人はこのあと『実録 愛と希望を語る90分『子ども性教育』という本を刊行している。

私の教室の大学生にはあまり関心を持たれなかったようだ。

 

先週29日に都立大キャンパス内で暴漢に襲われた宮台さん、全治1か月の重傷という報道だったが、きのうyoutubeの彼のチャンネル?に登場、元気な姿を見せた。

からだはまだ治らないけど、こころはまったく問題なしとのこと。

90年代にお話を伺ったことがある。切れる人だと思った。

強靭だなと思う。

からだは治っても心の傷はなかなか癒えないものだと思うのだが。

 

あれだけとんがったことをいい続けてきた人だけに、ショックが大きいのではないかと思っていた。

犯人はまだ逃走をつけている中、8日後には公衆の前に顔を出し「元気だぞ」と言えるのは、学者として長く歯に衣着せぬ発言を続けてきた人のプライドだろうか。

事件が言論封殺を狙ったものだとすれば、宮台さんの早い「顔出し」は、犯人への痛烈なカウンターパンチになるだろう。

 

 

広島県の教育長が夏から逆風状態。

広島の友人から中国新聞の記事が送られて来た。

「この人、どういう人だったのよ」というわけだ。

 

文春が官製談合疑惑を報じてから、タクシー代年間100万円超問題などもでてきて県議会で問題となっているという記事。

 

この教育長、わずかに面識がある。

隣りの学校の校長だった。私の職場に出張で来ていた時に、突然職員室に来て「電話貸して!」とやった人。その姿を見て、よくいるなれなれしいPTAの役員かと思ったが、校長と聞いて驚いた。

 

平川理恵(1968―)。横浜の民間人校長に応募、リクルートからの転身。

40歳そこそこで市立中学の校長となったのはいいが、とにかく目立つことをやりたがる。自分を売り込むことにかけては天才的な人。

学校図書室改革など、他の学校での取り組みを上手に使いまわして自分の実績に。

授業時数問題では突然机上の原則を言い出し、現実を無視した行政の方針を引き出してしまったことも。

彼女のおかげで、卒業式のあとにも授業をすることになった学校もあったと記憶している。

彼女の出した学校、教育に関する本があまりにご都合主義でひどいので、私は組合の機関紙でこき下ろしたこと。11,2年前のこと。風の噂では、私は彼女の恨みを買っていたらしい。

 

そのころ、私が気にかかっていたのは、普通の校長連中はせいぜいが5,6年校長職を務めれば退職していく。しかし彼女は20年以上も続けようと思えば続けられる。時間が経てばたつほどノシてくる可能性があり、面倒なことにならなければいいが・・・、だった。

 

私が退職してから4年後、広島県教育長に転身というニュースを見た。

安心したのは私だけではなかったはず。

 

その彼女が官製談合疑惑の真っただ中。

彼女が赴任してい以降、京都にある認定NPO法人パンゲアとの取引が急激に増えた。

パンゲアとはHPによると「パンゲアは、世界のこどもたちが出会い、伝えあい、つながることのできる世界の遊び場「ユニバーサル・プレイグラウンド」の研究開発及び実施運営」をしているところだそうだ。

 

文春はここの幹部と平川教育長との親密さをうかがわせるSNSや食事会の写真などを入手。談合疑惑があったのではと報道。

この件が広島県議会で問題となってきた。

本人は「特定の業者と契約するよう指示はしていない」と強調するが、彼女がパンゲアと付き合い始めた2020年度以降、契約額は6件2645万円にのぼったという。

 

中国新聞は「職員がトップの意向をくみ、契約の公正性などの問題点を指摘できない雰囲気」や「教育長の機嫌を害する悪い意見、情報を届けないようにする雰囲気」があったという。

 

そこにとどまらないだろう。彼女は「指示していない」というが、教育長から特定業者の名前を出された担当者が、結果的に他の業者が選定されたとなれば、庁舎内での立場は悪くなるのは必然。

これは具体的に「指示があった」と考えるべき。

SNSでの親密なやり取りや食事間での満面の笑みを見れば、癒着は明らか。談合はあったと考えていいのではないか。

今後司直がどう動くかわからないが、県幹部は三顧の礼で迎えた教育長を切るわけにもいかず、必死で守ろうとするだろう。この先は県警も含めた広島県の政治の力関係の問題になる。

ついこの間、大臣から被疑者、受刑者となった人もいる広島県。教育長が逮捕されても驚きはしない。

 

ちなみに、文春が報じたのはこのほかにタクシー問題があった。

一年に100万円超の公用タクシー代を費消したという。

驚いたのは広島市から福山市までタクシーで行ったこと。

広島・福山間は約100㌔。これをタクシーで往復した。

代金は6万円を超えた。たぶん高速を使ったことだろう。それでも時間は最低でも2時間。

新幹線だと駅間で広島―福山は18分、往復9000円。

自分のお金ならばともかく、税金でこの距離をタクシー、は考えられない。

本人は「(タクシー使用は)コロナ対策だ」と言っているが、山陽新幹線はガラガラだったろう。

 

タクシーというと、横浜市の教育委員だったヤンキー(を標榜するが、実は権力へのこびへつらい上手の野太鼓)先生義家某が市内の中学校に視察に来たときに、帰途のタクシーを呼んでいなかったことに対して「おれをバカにしているのか」と声を荒げたということがあった。

 

2人とも立派な「ナニ様」である。