『彼女のいない部屋』「構成、編集(モンタージュ)、撮影、音楽が一体となった新しい感覚の映画」(そんなに褒めないよ 映画評)映像と音楽は美しいが、私はついていけなかった。

映画備忘録

11月11日

『彼女のいない部屋(2021年製作/97分/G/フランス/原題:Serre moi fort/脚本・監督:マチュー・アマルリック/出演:ビッキー・クリープス アリエ・ワルトアリテ/日本公開:2022年8月26日

 

本国フランスでの劇場公開前に明かされたストーリーは「家出をした女性の物語、のようだ」という1文のみで、物語の詳細は伏せらたており、主人公の女性クラリスを軸に、一見するとバラバラのピースがつなぎ合わさることで、ある真実にたどり着く。

                          (映画ドットコムから)

マチュー・アマルリックの映画は一本だけ、『バルバラ セーヌの黒いバラ』(2017年)を見た。シャンソン歌手としてのバルバラの人生を描く映画だろうと思っていたら、肩すかしを食ったような気分になったことを覚えている。

 

この映画も、見る人が見れば次のように見えるようだ。

 

ミステリーのように何が起きたかを想像させる映画ではなく、何が起きているのかと考えさせられる映画です。現実と妄想、そして過去と未来と現在が入り混じるように編集されています。混乱させるためでも混乱しているわけでもありません。スクリーンに映し出される映像はクラリス(ヴィッキー・クリープス)の今現在の思いであり、クラリス本人がいま頭(心)の中に描いている映像です。

日常的にも人は、実際に目で見ているものだけではなく、同時に過去のことや未来の想像を思い描いたりして生きています。それを映像にすればこうなるということであり、クラリスの場合、起きたことのあまりの大きさにそれが激しく交錯しているのです。

構成、編集(モンタージュ)、撮影、音楽が一体となった新しい感覚の映画です。

                 「そんなには褒めないよ 映画評」から引用
 
この方のこの映画に対する詳細なトレースと評価を読むと、納得できないことはないが、初見で見れば、混乱につぐ混乱・・・これとこれはどうつながるかと悩むばかり。
夫を亡くし、そうして家族を失っていく家庭の行動と心理、そして妄想が入り混じった映像。終盤の雪山のシーンで凍死した夫を見つけ、レストランで朝食を食べるシーンで、彼女の悲しみが伝わってくる。
脈絡ないように見える映像と音楽が美しい。
邦題はひどい。部屋が問題か?
邦訳すれば「抱きしめて」。
 
こういう映画が新しいのだろうが、私にはついていけん。