水辺の鳥たちのことは何度も書いたが、11月半ばにカモメが一羽、境川上流に迷い込んできた。今までになかったわけではないが、この10数年で1度か2度、目撃したことがあるだけだ。
写真ではわからないが、サギやカモなどに比べ、かなり大きい。首も太い。
次の日、「まだいるよ」と近づいてみると、何かをついばんでいる。
よくよく見ると、50㌢ほどもある死んだ鯉の内臓を食べている。鯉のあばら骨が露わになっている。
狩ったのか、それとも死んだのを見つけたのか、わからない。無心に啄むカモメを見ているうちに、見てはいけないものを見たような気分になった。
今朝、久しぶりにカワセミがホバリングから垂直に水に飛び込み、銀色の小魚を口にするのを目撃。2,3秒のあいだのこと。
カモメもカワセミも、どちらも生きていくための狩り。
つくづく人間は矛盾した生き物。
コンサートの備忘録。
11月13日(日)
長津田にあるみどりアートパークで『バンドネオン&チェロ』のコンサート。
小川紀美代(バンドネオン)
三間早苗(チェロ)
横浜音祭り2022パートナー事業の一環だとか。価格の安さはこれによるものか。
みどりアートパークホールははじめて。
収容人数は334名。小ホールだが、ステージにかなり奥行きがある。演劇などにも使うた多目的ホールだが、残響の少ない自然な音。今回のようなコンサートにはぴったり。座席と座席の間が広いのもガタイの大きなものには助かる。
第1部8曲のうちバンドネオンのソロが3曲。うち2曲は小川さん自身の作曲。5局は「コンドルは飛んでいく」などをチェロとのアンサンブルで。
初めてナマで聴くバンドネオン。その音の大きさに驚く。小柄な小川さんはこれを両手に両足を交えてダイナミックに弾く。蛇腹を開くのが手だけでなく、両膝を使う。重さが7キロだとか。動きそのものが音楽的で美しい。
はじめは空気を抜く音が気になったが、途中から気にならなくなった。
かなりの弾き手だということが伝わってくる。思い切りの良さと繊細さ。チェロの三間さんも引き立て役としてうまくからんでいる。
第2部は初めにチェロのソロ。バッハの組曲4番からクーラントとサラバンド。
耳になじんだ曲だけにクーラントは残念。早いテンポに追いつけないというか追いかけるだけで精一杯に聴こえた。サラバンドの方はテンポが遅いせいかゆったり聞けたのだが。
ピアソラで締めるプログラム、圧倒された。