国立ひたち海浜公園

茨城・ひたち海浜公園のみはらしの丘のネモフィラ

 

朝刊折込みのチラシに、日帰りバスツアーがあった。ぼんやりしたアタマで朝食をとっているときに決めてしまうのはいつものこと。相撲見学もそうだった。

 

それでも今回、ちょうど見ごろにあたった。

まさに「青の絶景」。圧倒された。

秋には、この丘、コスモスとコキアで埋め尽くされるという。

 

ディズニーリゾート7個分の広さ。ここもランドの候補地だったそうだ。

 

今の時期、スイセンが終わり、ネモフィラだけでなく菜の花やチューリップも見ごろに。

 

ここはもともと旧日本軍の水戸東飛行場があったところ。敗戦後は米軍に接収され、射爆場として使用されていたそうだ。

 

誤爆や騒音に悩まされ続けた住民による返還運動が実り、1973年に返還されたという。

公園建設中に発見された不発弾(写真は公園のHPから)

 

この射爆場の一番高いところが現在のみはらしの丘、いくつもの丘が重なっているが、一番高いところが標高58メートル。太平洋の眺望も素晴らしい。

造成中のみはらしの丘(同上)

 

コロナ下の経済対策の一つとして茨城県は、近隣5県(千葉・埼玉・群馬・山梨・神奈川)在住の旅行者に対し、一人5000円の「いば旅あんしん割ツアー」を実施している。

そのうち2000円は地域クーポン券として配られた。当日のみ使用できる。

残り3000円は旅行代金に充てられているという。

行程は

各地発=ひたち海浜公園=水戸(海鮮丼の昼食と買い物)=笠間稲荷神社の藤鑑賞=いちご狩り食べ放題=各地着

7時過ぎに出発。帰着は渋滞もあって19時40分ごろ。

移動時間が長かった。

食事もよくなかったし、行程も今一つ。これで雨でも降ればどんなツアーだったかと、ぞっとすることもないではないが、それでもよかったことが3つあった。

 

昼食会場にある農産物直売所で、今年の初物、好物のわらびが買えたこと。Mさんにあく抜きをしてもらって次の日に食べたのだが、やわらかくぬめりもあってうまかった。

 

ふたつめはドライバーの運転。東名、常磐道などいくつもの有料道路を通ったが、あちこちで渋滞にはまった。運転時間はかなり長かったはずだが、車線変更はもちろん、減速、加速をほとんど感じさせない運転技術に驚かされた。慌てて時間を取り戻そうという無理な運転はまったくなく、それでも予想した時間より早く帰着できた。50代~60代の男性。

「こういう人は人間的にもできているんだろうな」

「ちゃんと修行というか人間的な鍛錬を積んでいるんだろうね」

「おれたちみたいに修行が足りないのとは違うな」

「いやいや、私たち修行も鍛錬もしていないし」

 

3つ目は添乗員の対応。もともとガイドは乗車していない。添乗員の仕事として、連絡事項に交えて時折り車窓の景色について話してくれるのだが、時間が押しているときも、渋滞してバスが全く進まない時でも、いつも悠揚迫らぬといったゆったりして明るい話しぶり。言葉の選び方も適切でかつマイクによく乗った耳障りの良い声、聴いていてこちらの気持ちがなごんだ。

この方は50代~60代の年配の女性。生得のものなのかわからないが、この域に達するのは簡単なことではないと思う。私など40年以上も教室その他で話し続けているが、相変わらずの訥弁で、話の要領を得ないことが多い。すぐ顔に出るし、言葉が出てこずに唸ることもしばしばだ。

帰着地点でのお別れの挨拶のとき、二人に対する気持ちを込めて力いっぱい拍手をした。すると車内が大きな拍手に包まれた。気持ちはみな同じだったようだ。