『親密な他人』何かありそうに見えるのだが、皮をむいたら空洞? 見る人にもよるのだろうが、私には退屈だった。

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映画備忘録。4月15日シネマジャック&ベティの2本目。

 

『親密な他人』(2021年製作/96分/G/日本/脚本・監督:中村真夕黒沢あすか 神尾楓珠/公開:2022年3月5日)

 

中村監督の作品は『ナオトひとりっきり』(2015年)と『愛国者に気をつけろ』(2020年)を見た。2本ともドキュメンタリーだったが、私には物足りなかった。ストーリーのあるフィクションはどんなふうにつくるのかに興味があったのと、なによりタイトルがいいので見ることにした。

 

冷たい熱帯魚」の黒沢あすかと「彼女が好きなものは」の神尾楓珠が共演し、親子でも恋人でもない男女の間に生まれる不思議な愛の行方を描いた心理スリラー。パート販売員として働く46歳の石川恵は、1年前に行方不明になった息子・心平の帰りをずっと待ち続けている。そんな彼女の前に、心平の消息を知っているという20歳の青年・井上雄二が現れる。心平の行方をめぐり、2人は親子のような恋人のような不思議な関係になっていく。しかし雄二には隠された目的があり、一方の恵も誰にも言えない秘密を抱えていた。監督・脚本は「ハリヨの夏」などで国内外から高く評価された中村真夕

                           (映画ドットコムから)

 

オレオレ詐欺を題材とした映画でまだ唸るものはない。『のさりの島』『JOINT』でも使われたが、今一つ。オレオレ詐欺を中心に据えた映画を見てみたいものだ。

この映画もその点では同じ、なんだかなあ、だった。失踪した息子を探す、というのは面白いのだけれど、

 

「親子でも恋人でもない男女の間に生まれる不思議な愛の行方を描いた心理スリラー」にしては、今一つ突っ込みが足りず、怖くもない。画面的には心理描写に心を砕いて作っていることは感じられるが、正直成功しているとは思えなった。何かありそうに見えるのだが、皮をむいたら空洞?エロティックさは不可欠だと思うのだが、まったく不足。「人間が一番怖くてエロくてよくわからん」を期待していたのだが。

見る人にもよるのだろうが、私には退屈だった。画像1