田中前理事長、示威行動ともとれる大学関係者との面会を繰り返す。

また日大事件。

今朝の東京新聞が、田中元理事長が有罪確定後も大学の施設で関係者らと面会していたことを報じている。内部告発だろう。小さい記事だが東京新聞のスクープのようだ。

 

昨日、背任事件の裁判で吉田被告が検察の冒頭意見陳述に対して事実関係を認めた旨の報道があった。

医療コンサルタントの社員である吉田被告は、日大板橋病院の建て替え工事をめぐって、日大事業部の幹部で日大理事の井ノ口忠男被告の命を受け、錦秀会の前理事長藪本雅巳被告を介在させ、2億円の裏金を生み出す仕組みをつくったとされる。

 

2200万円程度のものを2億円に見積もり、井ノ口、藪本の懐ろに1億8000万が入るようにしたわけだが、そのうち7000万円が田中前理事長に渡っている。

しかし、田中理事長が問われたのは所得税法違反罪。それも5200万円ほどを脱税した罪。

脱税は一般に1億円を超えると実刑となるとされる。

きのうも書いたように、検察と田中はどこかで手を結んで、7000万円以外にあるさまざまな「謝礼」の類に目をつむり、田中前理事長は背任事件の仕組みには関与していないとして執行猶予、罰金罪で放免してしまった。

妻が営むちゃんこ屋には、大学関係者がちゃんこ屋詣でを続け、その都度付け届けをおいっていったはずだ。大学の広範な人事はちゃんこ屋で決まると言われたわけだから、付け届けの額はかなりの高額になる。妻はその金庫番だったのだから、妻を叩けばいくらでも裏金事情は分かったはず。

しかし検察はその線を自ら放棄。今回も控訴せずに田中前理事長を野に放った。

 

その結果、新聞記事のように再び田中前理事長は大学関係者と面会を繰り返している。

それも「確定」の決まった当日、そしてその翌々日。裁判でも「(大学とは)一切関係をもちたくありません」と言ったるにもかかわらず、だ。

 

どこか人知れぬ場所で隠れて会うならともかく、大学関連施設で人目につくように会うという行動は何を表しているのか?

5期13年にわたって独裁体制を築いてきた田中前理事長の子飼いの人物たちはまだたくさん学内に残っているはず。大学内の情報はそうした筋からすべて田中前理事長の耳に入っているのだろう。まだまだ田中体制が完全に崩れたとは言えない。

 

示威行動ともとれる関係者との面会。日大は大学への立ち入りを禁止する内容証明郵便を送ったというが、はたしてその効果はあるのだろうか。240ページにも及ぶ第三者委員会の「日大再生計画」が無駄にならないことを願うばかりだ。

 

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