きのうは珍しく二人でkikiまで出かけた。
kikiは、本厚木駅南口から歩いて5分ほどにあるアミューあつぎというショッピングセンタ・複合施設の最上階9階にある。
足もとから天井までの大きな窓から、大山・丹沢山塊が望めるなかなか他に類を見ない映画館。
いつもなら人気(ひとけ)がなく、山の方を一瞥してチケット売り場に向かうのだが、きのうはエレベーターを降りると、目の前にあでやかな瘦身長身の女性が立っている。にこやかにチラシとティッシュを配ってくれる。
えっと思いながら、私はチケット発券機に向かったのだが、Mさんが話しかけられている。
渡されたチラシは、先週ここで見た『北風アウトサイダー』。ティッシュもポスターが印刷されたもの。上映は今週も続いている。
「あの方、これに出てるんだって」とMさん。
オレンジ色のプリーツの入ったワンピース、小さく色白の顔。
思い出した。マスクをしていてもわかる。身長172㎝。
4きょうだいのひとりミョンヒを演じた人。チラシを見ると「櫂作真帆」という名前がある。
えっ?こんなにこやかな人だったっけ?
映画のなかでは
オモニの残したお店の借金を返すためにヤクザに戻るという兄の代わりに、売春をして借金を返すという役。勝手に出て行って長い間帰らず、オモニの葬儀にも来なかった長兄ヨンギに対して「許せない」という気持ちを激しくぶつける。
「とっても良かったですよ」と声をかける。
あの映画、彼女も含めて役者の演技はほんとうによかった。
数人で次々に台詞を発するようなシーンは特に「間」が絶妙だった。彼女の印象も強い。
穏やかな笑顔で少し嬉しそうに「ありがとうございます」と返してくれた。
1本目の『前科者』を観終わってロビーに出ると、まだエレベーターの前でチラシを配っている。2時間が過ぎている。
コロナのために3年前まではロビーにソファがたくさん置いてあったのだが、今はベンチが二つだけ。
仕方なく、非常口?の前の少し高くなったところにふたりで腰かけていたら、Tシャツとジーンズの女性が同じチラシをもって近づいてくる。
この人も映画に出ているのだという。チラシを見ると新宮里奈という名前。
「がんばってくださいね」と声をかけると、
「10年後には必ず…」とこぶしを握り締める。
2本目の『ブラックボックス』を観終わって、ロビーに出てくる。
2人の女性はまだチラシとティッシュを配っている。
5時間以上になる。凄い。
2人とも丁寧に挨拶をして見送ってくれる。
活躍を期待したい。
あっそうか、一緒に写真を撮るんだった・・・。