テレビの国会中継。立民の議員が青いシャツに黄色のネクタイで質問をしていた。
街で共産党のビラを配っている高齢女性が、ウクライナの旗を胸につけていた。二条城は青と黄色にライトアップされている。
テレビは反ロシア一色だ。侵略者ロシアと善良なるウクライナ。
政治家のほとんどは、ロシアにさらなる制裁を”!と叫ぶ。与党も野党もない。
戦時にはこんなふうになだれ込むのかという一つのいい例だ。
他国の攻撃を受けた国に対して、日本の世論がこれほど同情的なことがあっただろうか。イラク戦争はどうだった?
大事なのは誰が始めた戦争かということだ。イラク戦争はアメリカが始めた。サダム・フセインは大量破壊兵器をもっている!とっちめなければ!
日本は、アメリカの理屈にまず政治家が飛びつき、メディアが追従し、世論が同調する。
今の、ウクライナを救え、プーチン=ロシアは戦争をやめろは、その伝だ。
攻撃された国イラクにも普通に生活をしていた人たちがたくさんいたはずなのに。
「戦争をやめろ、人々の命を救え」はケースバイケース、自在に使われる。普遍的なものとは言えない。
それにアメリカが積極的にこの戦争を止めようとしているようには見えない。
今までアメリカは何をやってきたのか、と批判する人は多い。挑発を繰り返してきたのはNATO=アメリカではなかったかということだ。
ソ連崩壊後、ワルシャワ条約機構解体の前にNATO=アメリカは30年かかってロシアに迫り、挑発を続け、脅威となってきたのは事実だ。
モルドバ、ジョージアはともかく、ウクライナがNATO加盟に近づけば近づくほど、そこが火薬庫になるのはわかっていたことではないのか。
しかしNATO=アメリカは、いったんロシアがウクライナへ侵攻を始めると、軍備は提供しても直接手は出さない。火中の栗を拾わない。
このまま進めば軍事力で圧倒的に勝るロシアがウクライナ各地を占拠(解放)し、民衆の犠牲は増えるばかり。人道回廊もロシアはウクライナの人々をロシアに向かわせようとする。手厚く迎えて人道的措置をアピールするだろう。人々が他国へ向かえば、卑劣なやり方でこれに攻撃を加える。
これは、アメリカが世界各地でやってきたやり方だ。
NATO=アメリカは、ウクライナや周辺国のジョージアやバルト三国への武器供与を何としてもやめるべきだ。ロシアもベラルーシを利用することをやめるべき。
そうしないと一般の人々の犠牲がすさまじく増えていく。今のロシア軍は、そういうふうに戦いを進めているように見える。
しかしロシアだけが優位にあるとも言えない。
広大なウクライナをロシア軍がすべて制圧することなど不可能だろう。ロシア軍の駐留は、アメリカ軍がアフガンで難儀したように兵站を含め疲弊はまぬかれない。
今からでもできる妥協は急いでやるべきだ。時間がかかればかかるほど一般の人々の犠牲は増える。
戦争はいつも同じ轍を踏むのだから、悲観的な先行きを回避する努力を、双方が始めるべきだ。