始めるほうは、すぐ終わらせられると考えている。しかし戦争は始めるより、終わらせるのが難しい。かつての日本もそうだったように。

国会をはじめ、ロシア非難決議が各地で行われている。

全員一致が多いそうだ。議席ウクライナの国旗に似せた紙を置いたりする議員もいる。あざといと思う。

いま、ロシア非難に躊躇すると、インドか中国のようにお前は親ロシアか?なんて言われてしまいかねない。

でも、大量破壊兵器があるに違いないという嘘というかデマを理由に、アメリカが中心になって始めたイラク侵攻の時はどうだったろうか。

イラクの市民がアメリカの兵器によって多数が犠牲になったが、日本のどこの自治体もアメリカ非難決議はしなかった。

2001年9月11日のニューヨーク同時多発テロによって、ムスリム国はみないちように凶暴なテロ主義者のイメージをかぶせられ、悪いのはサダム・フセインということになってしまった。当時の小泉首相は「アメリカの武力行使を理解し支持する」としてありもしない大量破壊兵器の存在を信じ、ブッシュを支持した。

 

ブッシュ同様、戦争をはじめてしまったプーチンの責任はどこまでも重いが、戦争は政治とは異なる手段をもってする政治の継続とすれば、ソ連崩壊後崩れていったワルシャワ条約機構をしり目に、東へ東へと歩を進めてきたNATOがロシアにとって脅威であったことも事実。そのロシアと接する先頭にウクライナがいた。

米英を中心とするNATOの東欧周辺国への経済、軍事援助が続いてきた。

どっちにつく?きかれて、脅してくる人よりも援助をしてくれる人につきたくなるのも人情。

もしやられそうになったら守ってくれる?に「いいよ」と言われれば、加盟申込書を書いてしまう。ジョージアモルドバのように。

結局、陣地争いで追い詰められたことがプーチンをいらだたせ、ウクライナ侵攻に踏み切らせてしまったのではないか。

問題は終わらせ方。さらなるロシアの侵攻を止められるか。非難決議もいいけれど、日本はまずは人道支援、市民生活を奪われ難民となっている100万人を超える人々をどう支援するか。ロシアの市民も経済生活が行き詰まっている。言論弾圧も激しくなっている。ロシア内の反政権の人々がどこまで政権と拮抗できるか。

いずれにしろ、NATO諸国が我慢できずに参戦すればウクライナ全土が戦場となり、さらにウクライナ以外でも難民は増える。

始めるほうは、すぐ終わらせたれると考えている。戦争は始めるより、終わらせるのが難しい。かつての日本もそうだったように。

政治でなぜ解決できなかったのか。これが一番の問題だ。

 

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