オミクロン株の感染が急拡大している。
東京は昨日9468人。先週の日曜の倍以上。先週の1週平均の陽性率が17.2%。今週はかなり上がっているのだろう。
神奈川も4日連続で3000人を超えている。そのうち2800人超が政令指定都市3市が占めている。
潜伏期間が短い、若者は重症化する率が低いと言われてるが、基礎疾患のある高齢者は依然として重症化するという。
いくつかあった予定をキャンセルした。
昨日、大相撲初場所が終わった。御嶽海の優勝。阿炎・照ノ富士との巴戦が見たかったのだが、照ノ富士の膝が思っていた以上に悪く、御嶽海の攻めをこらえることができなかった。
2週間前の初日、両国に出かけた。この日、感染者1223人だった。その1週間前の2日は84人。
チケットがとれた12月上旬はほとんど感染はなかっただけに、急拡大は少し気持ちが悪かったが、感染対策をしっかりしているという説明書きを信じて出かけた。
相撲見学は二度目。
クラブツールズムのチラシに「升席12900円」というのを見つけた。
前回は、いす席の一番後ろに近いくらいのところ。豆粒のような力士を双眼鏡で覗いていたのだが、升席ならば今度は肉眼で観れるのではないか。
Mさんが受付時間の始まる前に電話した。
すぐに取れた。あっけない。なんだか話がうますぎる。
国技館について席を探してすぐにその理由が分かった。
私たちの席は「升席C東14列」。隣は最後まで空いていた。
場所は1階席一番後ろから2列目。
図の右側の「東」と書いているところの左側後ろから2列目、黄色のところ。升席Sはクリーム色で8列、升席A・Bがオレンジでそれぞれ2列。升席Cが3列。
コンサート会場が半数近くがS席というのと同様S席が多い。ABCは椅子席も少なくなっている。
升席の大きさは1.2m四方。
升席Sからの距離は、1.2m×14+升席間の通路=20m、その前にたまり席があるから土俵からはたぶ30m近く離れている。
ここからどんなふうに見えるかというと、iPhoneでめいっぱいアップした写真がこれ。
栃ノ心であることはわかる。でも、これはiPhoneでめいっぱいアップしたもの。実際は下のように土俵が見える。
ここに二人で坐る。
四人で坐るのはかなり厳しい。コロナ以前もふだんは三人席のようだ。
私たちが国技館に入ったのは13時30分。それから4時間半、ここに坐っていたのだが、
同じ姿勢で坐り続けるのはかなり厳しい。二人だから足を延ばしたり、体育坐りしたりしてしのいだが、たまり席のように座布団一枚に坐り続けるのはしんどい。今は座布団1枚空きになっているようだが。
15時ごろ。ふっと目を引く女性がたまり席の2列目に入ってきた。
国技館の”妖精”と呼ばれる女性。
早い時間から入ってきて長時間観ている。場所中は毎日、たまり席のどこかにいる。
ネットによると某タニマチのお嬢さんだそうだ。テレビで見ていても姿勢がすっと伸びて、ほとんど動かない。取り組みに対してリアクションはなく、いい相撲には拍手をするだけ(左利きのようだ)。毎日、着ているものやバッグが変わる。お金持ちなんだろうなと思う。相撲がはねてみなぞろぞろ両国駅に向かう中、彼女がすいすいと人をかわしながら足早に駅に向かう姿を見た。
さて、初場所(上限5000人)の升席Cの値段を見てみると、土日祝日は9500円。平日は8500円。
クラブツーリズムは、両国駅でチケットとパンフレットを渡すだけ。案内もお土産もない。それで3400円をのせるのは少しぼりすぎではないか?
それでも、前回の座席に比べれば雲泥の差。力士の表情がよく見えるし、音も聞こえる。
ちなみにたまり席は20000円。毎日、毎場所、一年間ここに坐るということは・・・。
料金表は明示されているが、明示されないいろいろなウラ価格があるらしい。たまり席はもちろん一列目の砂被り席ともなると私たち一般人には考えが及ばない世界があるようだ。
印象的だったことを少しだけ。
音のこと。
入場口のところには、各力士の幟が並んでいる。そこで聴こえてくるのが櫓太鼓。櫓の高さは16メートル。叩くのは呼び出しの仕事。
初登場。
今回は櫓太鼓を十分に聴くことができた。寄せ太鼓とはね太鼓。下の動画は特別に土俵上で叩いて見せたもの。違いがよくわかる。
テレビを見ていると、いつも同じ太鼓の音が聴こえてくるが、場所中は毎日、呼び出しが交代で叩く。
初めて聴くナマの櫓太鼓、軽やかないい音だった。
前回と一番違ったのが、音。
観客は5000人を上限にしているというが、感覚的にはもっと少ない。2日目以降もテレビを見ていると、設定された空席以上に空席がかなり目立った。
声かけは禁止だし、会話も控えめに。飲酒、飲食も基本的に禁止。お酒を飲んでいれば声も大きくなるが、みなひそひそ話している。
だから、場内がずいぶん静まりかえっている。
その分、いろいろな音がよく聴こえる。
まず呼び出しの声がはっきり聞こえる。一人ひとり音程も声も違うのがよくわかる。
行事も同様。1万人の満員御礼の時には中入り後などは行司の声は歓声にかき消されてしまうが、今回は声もその中身もよく聴こえた。
私は6代目木村玉治郎の声と所作が好きなのだが、彼の美声が後ろの方までよく聴こえた。
声援ももちろん禁止。前回は、2階席の一番高いところから、試しにと取り組みに大きな声をかけてみたのだが、テレビでは全く聴こえなかった。今回ならはっきり聴こえるはず。そのくらい場内は静か。
そして当の力士。
回しを叩く重い音が場内に響く。
四股を踏む音も聞こえる。とりわけ北勝富士の四股はよく聴こえた。
場内アナウンス。
テレビでは、懸賞幕が土俵をまわり始めると、カメラはグーッと引いて力士名、出身地、部屋名、成績がテロップで出る。それに合わせるように、アナウンサーの声が聞こえてきて、解説者との取り組みについてのやりとりが始まる。そのときに場内ではテレビでは聴こえないアナウンスが流れている。
懸賞についての説明。
「お~いお茶」の懸賞幕が何枚も出ることがあるが、これに合わせて
「お茶といったら伊藤園おーいお茶」というアナウンスが枚数分繰り返される。
初日の結びは照ノ富士と大栄翔だったが、「お~いお茶」のアナウンスは、5回繰り返された。
最近はポケモンの懸賞幕が多い。
「若葉ポケモン ナエトル」「ビーバーポケモン ビーダル」「こざるポケモン ヒコザル」「つっぱりポケモン ハリテヤマ」など際限がない。上の写真の栃ノ心と剣翔の取り組みには「ムクドリポケモン ムックル」の懸賞幕が見える。
これらはすべて、配布される星取表に印刷されている。
初日だったせいか、優勝額の披露や優勝杯の返還、理事長の挨拶などテレビには映らない(たぶん)行事がいろいろとあった。
十両力士の土俵入りというものも初めて見た。
トイレに立ったついでに場内を一周する。
白鵬がネクタイをしてジャンバー姿で歩いている。カメラを向ける人が多い。仕事は警備というが、顔見世にあちこちうろうろしているふう。さすが人気者。
売店には行列ができている。スイーツ親方のコーナーもある。売れるものは何でも売る。
相撲の話をしていなかった。
小さい頃からプロレスなどの格闘技が好きだった。
ボクシング、キックボクシング、空手、相撲、レスリングなど。
制限の多い競技ほど面白い。ルールの簡単な競技のほうが面白い。
ある意味、相撲は究極の格闘技。やっていけないことが多く、試合時間は短い。ルールは簡単。だが、とてつもない体力と運動能力、そして知力の高さが求められる。体重差もない。見ていて飽きない。
大銀杏を結って尻を出して行うスポーツはほかにない。その姿は珍妙この上ないのだが、いい力士ほど金剛力士像のように見える。
しきたりとか相撲道とか、そういうものは興味はない。国技という言い方も国技館という名前も嫌いだ。国技ならば学校の授業にあってよさそうだが、ない。
力士だから、国技だから?必要以上の高い倫理観を求めない。みな若いプロのスポーツマン。相撲だけが特別ではない。後ろ指刺されない程度の倫理観があればよい。
元相撲選手で指導者だった某大学の元理事長、彼にもその程度の倫理観があればよかったのだが。。
2週間が終わった月曜日、つまり今日だが、夕方の時間がなんとなく手持ち無沙汰。
相撲ロスは4,5日続く。次は大阪場所、3月13日が初日。