映画備忘録。12月24日。
『ナチスバスターズ』と同じロシアの戦争映画。
『1941モスクワ攻防戦80年目の真実』(2020年製作/142分/ロシア/原題:The Last Frontier/監督:パディム・シメリェフ/出演:アルチョム・グビン他/日本公開2021年11月)
ナチスドイツの侵攻からモスクワを防衛し、第2次世界大戦の流れを変えたとも言われる「モスクワ攻防戦」を描いたロシア製戦争大作。第2次世界大戦下の1941年10月、ソ連に侵攻したドイツの大軍は、モスクワを目指して進軍する。首都が陥落すれば、ソ連の敗北とナチスの勝利が決定的になる。モスクワを死守するため、兵力不足のソ連軍は訓練中の学生兵を戦場に送り出すことを決め、ポドリスク兵学校士官候補生のラヴロフやディミトリ、看護師のマーシャら3500人に及ぶ若者たちが過酷な最前線に送られる。撮影にあたり、激戦の地となったイリンスコエ防衛ラインのあった土地に、村や道路、川や橋なども正確に再現。ソ連・ドイツ両軍の戦車なども博物館に保管されていた本物を使用するなど、壮大なスケールと臨場感で、ロシアの歴史に残る戦いを描いた。
【映画ドットコムから】
モスクワを死守するために、援軍を待てない指導層は砲兵学校の若い士官候補生がイリンスコエ防衛ラインに送ってドイツ軍を撃退するという史実が80年間隠蔽されていた「真実」なのかどうかが、よくわからない。
映画のつくりはそうはなっておらず、若者と戦争が大きなテーマであり、男同士の友情や女性をめぐるライバル心、親子の情愛など、戦争に翻弄される人々を壮大なスケールで描いている。隠された真実、というより、ソ連軍万歳、の国策映画のようにみえたがどうだろうか。
戦闘シーンは迫力があるが、さまざまなものをつめすぎたため、長いだけに全体としてやや締まりがない印象。内容的には西側の映画では使い古された題材。戦争そのものへの批判という点では全く物足りない。
『ナチスバスターズ』同様、これもロシアでは喝さいが来る映画なのだろう。
プーチンのスターリン再評価とつながる映画と言ったら言い過ぎだろうか。