理事長逮捕。これから鬼が出るか蛇が出るか。巨悪に対する地検特捜部の手腕が試される。

きのう、日大の田中理事長が逮捕された。5300万円を脱税したとして所得税法違反の疑い。

田中容疑者は、関係業者から受け取ったリベート収入を除外して税務申告を行い、結果的に2018年と2020年の所得税5300万円を脱税したという。

家宅捜索で自宅から見つかったという2億円の現金が税務申告されていない金ということか。

日大病院の特別室に雲隠れしていた田中容疑者、これからは取り調べを受けながらの東京拘置所での未決拘留の生活が始まる。

 

それにしても解せないのは、藪本被告や井ノ口被告がはっきりと『渡した』とされる7000万円の現金、何処から見ても日大事業部を経由して二人のポケットに入ったお金の一部。明らかに田中容疑者の虎の威を借りての犯行、田中容疑者なしでは成立しない犯罪であるのに、その総本山たる田中容疑者がなぜ背任の罪に問われないのか。

 

何度も書いているが、この事件、日大付属板橋病院の建て替え工事に関わる政治家を含めての暗闘がバックにはある。地検特捜部の取り調べに田中容疑者は脱税を否認している。徹底抗戦の構えなのだが、その過程で田中容疑者からどんな話が出てくるのか。

マンモス大学のトップの逮捕。教育、学校関連では2009年の漢検協会の私物化、背任事件があったが、その規模は比較にならないほど今回のほうが大きい。全貌が明らかになるまで、公判が終わるまでどれだけの時間がかかるか。モリカケをはじめとする政治家の犯罪に対して、軒並み不起訴にするという政権への忖度で失った検察の信用が問われる事件だけに地検特捜も必至だろう。さらには田中容疑者逮捕という事実は、日大の枠に収まらないもっと大きな疑獄につながる可能性もある。

それにしても、トップ逮捕という大変なことが出来したにもかかわらず、教職員向けの大学のHP「事務の友」や「教職員のページ」には何の記述も見えない。

日大は大学院から認定こども園まで在籍している児童、生徒、学生の数は11万7000人、教職員は7000人余。卒業生に至っては121万人とも。

この事態、誰がどう説明するのか。

今まで田中容疑者の鶴の一声で何でも決まってきた日大、これからは集団指導体制を目指し、理事長の復活(まだ辞任していないが)を阻止してまっとうな大学運営が確立される幹部は動くべき。明らかに日大を甘やかしてきた文科省、こんな時こそ監督官庁としてあたりまえのことをやってほしいもの。あんまり期待はできないが…。

 

 

 

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