香月泰男展を見に行く。

一昨日、かつての職場の同僚3人で1年数か月ぶりの会食。気がつけば4時間話していた。

今朝のメールでは二人とも声がかれてしまったとのこと。

帰宅は11時近かったが、今朝はいつも通り起きられた。

やはり「人に会う」と元気が出る。

元気を追い風に

神奈川近代美術館・葉山で開かれている『生誕110年 香月泰男展』を見てきた。

 

 

生誕110年 香月泰男展 FKAZUKI Yasuo : A Retrospective 2021年9月18日(土)から11月14日(日) 神奈川県近代美術館 葉山 The Museum of Modern Art, Hayama

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香月の出身地に近い広島の友人から、この展覧会が葉山で開催されるとの情報をメールでいただいた。直後に各戸配布の県の広報の記事を見つけた。こういう偶然はよくあること。でも友人からのメールがなければ広報の記事には気がつかなかったかもしれない。

横浜市では(どこも同じかもしれないが)、区、市、県の広報が束ねられて配布される。広報は大きさも紙質もそろえていて「配りやすさ」が最優先されている。自治会の役員をやったときに何度か配布作業を手伝ったが、たしかに配りやすい。

配布優先のせいかどうか、中身も体裁も「読んでほしい」というアピールはほとんど感じられない。「とりあえず発行しています」感があふれている。

だからいつもサーッと目を通して片づけてしまう。先日の「65歳以上インフルエンザ予防接種2300円」という記事も見つけることができなかった。

ま、広報の話はおいといて。

 

まだ緊急事態宣言中だったので、入館は要予約とあった。

今、HPを見てみたら明日25日からは予約なしで入場可とのこと。

開催期間はあと3週間。

山口県長門市にある香月泰男美術館や山口県立美術館などから作品を借り出しての展覧会、展示点数はかなり多い。充実した展示だと思う。

 

予約は15時。

朝から快晴。せっかくだから早く出て横須賀美術館まで足を延ばして、海を見ながらお昼を食べてから葉山へ向かうのはどうだろうかと提案。ドライバーのMさんの賛意を得る。

 

土曜日、込むのではないか。

家を出てすぐの八王子街道の下を走る東名下りは大渋滞。弁当をゆっくり食べる時間ははたしてあるのか、心配になる。

保土ヶ谷バイパス、渋滞なし。横浜横須賀道路、全く渋滞なし。

所要50分で横須賀美術館駐車場へ。

13時。さっそく海に面した広い芝生の広場で弁当を広げる。

青空の中にぽつぽつと浮かび白雲。風が少し吹いている。目の前には房総半島・富津がすぐそこに見える。工場地帯も。たくさんの船が行き来している。飛行機も次々に飛来。案外、にぎやか。

 

落ち着いて周りを眺めると、何やら変わった形の棚?がいくつも。その前に若者が集まっている。「横須賀野菜」と書かれたのぼりが何本も立っている。

若い人たちは農夫風でもなく、渋谷あたりを歩いている若者風。なんだかそぐわない光景。

あちこちの変な格好の棚には野菜。若者たちは売り子?野菜を販売しているようだ。

スマホで調べてみたら”かながわタウンニュース”がヒット。

アートな「小屋」で地野菜PR横須賀美術館に「koyart」出現

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タウンニュースの記事から

野菜の無人販売所というと、棚と屋根のある簡単な作りを見かけることも多いが、「koyart(コヤート)」と名付けられたこのプロジェクトは「アート視点の販売小屋」という新たな試み。建築や環境を専門とする大学研究室や企業、農家、横須賀総合高校美術部などが連携し、それぞれがデザインした「販売小屋」をテーマに地域のコミュニケーション活性化を目指している。今年3月には、横須賀市三浦市の農家や街なかで限定の販売イベントを実施。今回は、市内外から多くの人が訪れる美術館に10点ほどのさまざまな「小屋」を用意し、横須賀や三浦の新鮮な野菜を販売しながらその魅力をPRする。

 

だそうだ。よくわからないが、そういうことか。

「棚」と見えたのは建築を学ぶ学生らがつくったユニークな展示台koyart。

ロボットを模したような変わった形の野菜無人販売所が10個ほど広場に展開している。

目的は地域のコミュニケーションの活性化…というわりに売り子さんたちは地域にも商売にもあまり関心がなさそう。koyartの前でみな楽しそうに談笑している。

弁当をたたんで、koyartをのぞいてみる。

おおかた、売れていて品物はほとんどない。

午前中には大盛り上がりをしたのだろう。ちょうど反省会の時間だったようだ。

残り物のカブを買った。

 

横須賀美術館の中で開催されているのは「谷内六郎展」。週刊新潮の表紙を描いていた人。関心がないので入場せず。ショップをのぞいてから裏山を少し散策。

砲台跡に登る。漁船から大型輸送船まで大小さまざまな船が行き来しているのが見える。東京湾の入口の狭さがよくわかる。

 

滞在時間1時間。また横浜横須賀道路に乗り、葉山田浦で降りる。30分かかる。

 

予定より30分早く到着するも込んでいないため時間前入場が可となる。

戦前から戦後にかけての長い画業がわかるような展示。

とりわけ関心があったのは香月のシベリア抑留をテーマにしたもの。

 

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仲間の顔や姿を描いた作品が多い。色彩も深く暗く内省的なものが多い。

 

f:id:keisuke42001:20211024165952p:plain《復員〈タラップ〉》1967年

 

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日本海》1972年

 

本物の香月の絵を見たのは初めて。

機会があれば長門市の個人美術館にも行ってみたい。

 

15時30分過ぎ。込む前に帰ろうとショップもさらっと。

込むどころか、道路はどこもスムーズ。葉山から横浜の北西のはずれの拙宅まで1時間かからずに。