『逃げた女』こういう映画もあり。何かありそうで、空洞だったり。中身は自分で考えてね、という感じか。 不思議な面白さ。フーンと考え込んでいると、ホン・サンスがほくそ笑んでいるような。

映画備忘録

9月29日kikiにて。

 

『逃げた女』(2020年製作/77分/G/韓国/原題:The Woman Who Ran/監督・脚本・編集:ホン・サンス/出演:キム・ミニ キム・セビョク クォン・ヘヒョ)

 

『それから』(2017年)をAmazon見た。不思議な面白さがあった。ホン・サンスという監督自身の離婚の過程を撮ったような映画。その相手は、出演しているキム・ミニ。本作もキム・ミニが主人公、というか映画の中心?にいる。

 

 

ガミ(キム・ミニ)が3人の先輩女性や友人女性を訪ねて、会話をする。時には泊る。ただそれだけ。それぞれとの関係やいきさつは会話から類推する。

話題のほとんどは、男性との関係について。

ガミは、行く先々で「愛する人とは何があっても一緒にいるべき」という夫の言葉を執拗に繰り返す。

夫と離れるのは今回が初めて、と言いながら、3人を次々に訪れている。画像11

 

面白いのは、ガミが訪ねて宿泊して帰る間に、それぞれ事情を抱えた男が訪ねてきたり、喫煙所にいたりする。

すると、その女性の背景が開ける。

ほとんどのシーンは向き合っているところを間にカメラを置いたまま。窓の外の風景がうつされ、ときどき気が向いたように室内をアップする。画像1

なんだろう、この映画。少し飽きてきたなあと思ったころ終わった。77分というのはちょうどよいくらい。

こういう映画もあり。何かありそうで、空洞だったり。中身は自分で考えてね、という感じか。

不思議な面白さ。フーンと考え込んでいると、ホン・サンスがほくそ笑んでいるような。

 

逃げた女?

誰が?

 

相手の女性のうちキム・セビョクが印象強い。『はちどり』で女教師役、『それから』では不倫相手役。ナチュラルで不思議な魅力。

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キム・セビョクとキム・ミニ