外出の覚え書き。
9月30日、Mさんと二人で茅ケ崎へ。
斎藤美奈子さんの講演会。
会場は茅ケ崎文化会館小ホール。主催は「九条の会・ちがさき」。
東京新聞の案内が載っていた。
会場はほぼ満席。私たちのような年齢、いやもっと上の人が多いか。
前座と言っては何だが、はじめに「デュオ・オブリガード」というビオラとコントラバスという珍しい組合わせの二人のグループの演奏。
お二人のうちビオラの泉恵子さんは現在も神奈川フィル所属。杉本正さんは5年前に退団している。
杉本さんは2012年に神奈川フィルの組合弾圧の過程で解雇された分会役員のお一人。
県の労働委員会、2015年には横浜地裁でも解雇無効、未払い賃金の支払い命令が出された。
杉本さんは、その解決過程で退職されたようだ。
おしゃべりも軽妙でユーモアがあり、楽しませる。
ビオラとコントラバスという目立たない楽器のデュオを初めて聴いた。バッハやベートーベンもいいが、日本の唱歌のようなものが、どこか哀愁を帯びて意外にぴったりくる。30分ほどのミニコンサート。
斎藤美奈子さん。この2年間ほど講演はほぼ中止かオンラインだったそうで、ナマはとっても久しぶりなのだとのこと。本日のタイトルは「コロナで見えた生・性・政」。主催者の発案だそうだ。
パワーポイントを使っての流れは以下のように。
①コロナ禍の影響を数字で見ると
②安倍・菅政権のコロナ対策を振り返る
③自民党コロナ対策の背景に何がある?
④火事場泥棒的な「改憲論」にご用心。
①では基本的に収入の少ない人、女性が打撃を受けていることを数字で明らかに。
②ではオリンピックのことを「火事場の盆踊り」と称したのはさすがにライターのセンス。
③自民党のコロナ政策の背景は新自由主義。補償をしない➡弱者切り捨ての思想
④では緊急事態条項をコロナに乗じて「大規模な災害」に「大規模な感染症」を桑用としている。
最後になにゆえこれだけ自民党がでたらめをやっているのに、選挙で野党共闘は勝てず、政権交代ができないか、について。
この一年、市民の「NO]で退場した人たち。
森、小山田、小林・・・・。東京五輪は日本社会の差別構造をあぶりだしたのではないか。
市民の「NO」で変わった案件。
10万円の定額給付金を支給させた。
検察庁定年延長を阻止。
GoToを停止させた。
酒類提供店への圧力を撤回させた。
中等症自宅療養を転換させた。
聖火リレーを縮小させた。PVを中止させた。無観客にさせたなど。
未組織の市民はSNSを通じて国境を越えて力をもち始めている。
旧来の政治の枠を超え始めている。
与党支持者、野党支持者の数はあまりかわらない。
問題は支持政党なしの40%のひとたち。そして若者たち。
彼らが求めるものを野党共闘が提起できていないことが問題。
約1時間半。ほぼ辻説法のようで飽きさせず惹きつける。新味は感じなかったが、
気持ちの強さのようなものを強く感じた。
会場に入る前に、あたりをつけておいたお店、「みのり食堂」初訪問。駅ビルから2分。近代的なビルの中に「昭和」がぽつんと。
引き戸を開けてはいると、お昼時なのに客はゼロ。おばあさんが一人テレビを見ている。
Mさん「ワンタンメンお願いします」
おばあさん「夏はやっていないのよ」
意味が解らないが、そういうものかと納得し、ラーメンとタンメンを注文。
お冷を出すのもラーメンをつくるのもすべて一人で。足が少し不自由のようだ。
調理には時間がかかる。
店の中を眺める。
コンクリ打ちっぱなしの床にテーブルが6つ。パイプ椅子には手づくりの背もたれカバー。ビール用の冷蔵庫には大ビンがしっかり並んでいる。今日までは酒類提供禁止のはずだが。
メニューを眺める。ラーメンは550円、タンメンは650円。
その横に少し消えかかって「・・・・の鍛冶・・・先も切れるし元も切れる」
と書かれた短冊。貸し売りはしないということだ。調理場とフロアの間のカウンターにトレイに乗ったラーメン登場。
トレイには麺のほかにキムチと煮物の小皿がついている。それぞれ自分で運ぶ。
私はタンメンだがラーメンを味見させてもらう。懐かしい味。家系とか二郎系とかとんこつ醤油とか、そういうのではなく、昔からある東京ラーメンのようなやつ。タンメンもやさしい味でした。
ごちそうさまでした。次の訪問ではぜひ一杯呑りたいものだ。