今年の夏は過ごしやすいと思っていたのだが、8月も下旬になって本格的な暑さがやってきた。エアコンをつけたまま就寝しても、設定温度が高いせいか夜中に寝苦しい時がある。
ついこの間まで、明け方4時半ごろ新聞をとるころにはいったんエアコンを切ることができたのが、ここ数日は朝になっても気温が下がらない日が続いている。
そのせいなのかどうかわからないのだが、10日ほど前から犬のらいの元気がない。
えさを食べたがらず、動きも緩慢。いつもならえさの準備しだすとダッシュで寄ってくる、私がソファに坐ったとたん「あげてくれ、なでてくれ」と要求するのだがそれもしない。散歩の送り迎えにも出てこない、歩くと腰がふらついている。用便だけはなんとか欠かさずしているが。
もともと僧帽弁閉鎖不全症という持病を持っている。チワワには多い病気だそうだ。
そのせいで激しくせき込むこともある。治療としては手術は除外して、投薬だけなのだが、えさを食べないとえさに混ぜた薬も飲んでくれない。薬を鶏肉やソーセージなどに混ぜたり埋め込んだりしているが、食べるのは2回に1回ぐらい。
犬が元気がないと、つい人間のほうもふさぎ込みがちになる。
犬の見送りのない散歩に今朝も出かけた。
河畔に出るとさーっと川風が吹いてい来る。
セミの声より虫の声のほうが大きい。
百日紅の花が鮮やかな朱を見せている。
珍しいものを見た。
カワセミの縄張り争いである。
宮本さんが望遠レンズのファインダーをのぞいている。
覗きながら右手でVの字を示す。
レンズの先には、カワセミが2羽、水面のちょっと上のコンクリートのところにとまっている。
2羽の間の距離は1メートル。互いに水面を眺めているように見える。
「両方とも雄、縄張り争いの最中」と小さな声で宮本さん。
もともとカワセミは見かけと違って気性の激しい鳥だそうで、親子やきょうだいでも縄張り争いをするのだとか。
つつき合ったり、水に沈めたり、かなり激しいのだそうだ。
左側の少し大きめのほうが右側に近づく。
距離は10㌢ほど。向き合う。
互いに首を小さく竦めるしぐさ。
10分間、眺めるもこのままの状態が続く。
向こう岸にもじっと見つめている壮年のカップル。
「1時間も動かないときもあるよ」と宮本さん。
至近距離で向かいあうカワセミをあとに帰途に就く。