容量は大きいのに注ぎ口が小さいから、水を大量に流し入れようとしても入らないのだ。電話はつながらず、ネットでは延々と待たされる。水は注ぎ口に入らずに あふれている。だからいまだ接種率20%(1回目)にとどまっている。ワクチンが確保されていても、医院名が公表されていないから空きが出てしまう。自治体によっては医院名を公表しているところももちろんある。 横浜では注ぎ口が小さいのではなく、注ぎ口が見あたらない。

一昨日の宵の口、卒業生U君の母親から、某所の整形外科にワクチン接種の空きがありますとのメール。このところ、ワクチン接種予約システムの立て付けの悪さをブログに書き続けてきたのを読んでくださっていたようだ。

メールには、別の卒業生T君の母親の名前も。情報提供はこの方からとのこと。14年ぶりに目にする懐かしい名前。ご本人とT君の顔が浮かぶ。

こうした連絡は、しみじみありがたい。

 

その朝つまり7日は、横浜の65歳以上を含めた高齢者の集団接種と個別接種の申込日。時間前にパソコンの前に坐り、準備していたのだが、結果はどちらも取れず。ブラウザの右上にはすでにとってあるハンマーヘッドでの大規模接種の予約が出ている。これをキャンセルしなければどちらも取れないように、二重予約をはじくようになっているのだろう。

 

朝には早々にあきらめていたので、宵の口のこのメールにも「難しいと思います」と返信。

でも待てよ?せっかく連絡をいただいたのだからと、某整形外科のHPに行ってみることに。

ワンクリックで全く待つことなく登録のページへ。名前、アドレス、接種番号などを入れるとすぐに「予約」へ。クリックすると6月の空き状況一覧があらわれる。直近は11日。クリックすると「予約されました」。なんだ?このすんなり感は。すぐにMさんのものも。同じ日が取れる。

 

横浜市の場合はサーバーに接続するのにまず待たされるのだが、それは全くなし。

これで密で遠くて時期的に遅い横浜ハンマーヘッドでの大規模接種が回避できたことになる。予約キャンセル。

 

不思議なことがあるものだ。すぐにお礼のメール。

 

神奈川の高齢者の接種率は7日の段階で1回目の接種率が20.71%程度。全国41番目。7月末高齢者接種完了を打ち出した地元出身の政治家ガースーの要請にこたえるように、大規模接種で接種率を上げようとしているのはわかるが、思うように入っていない。

一日100万回というのが政府の目標。現状は全国で一日44万回。

このままのペースで行くと、来年4月までの間に緊急事態宣言が7月、10月、来年1月の3回必要との試算がある(群星沖縄臨床研修センター徳田安春センター長(臨床疫学)=6月5日付東京新聞)。

一日88万回ならば7月末にもう一度緊急事態宣言が必要となるが、それ以降は大きな感染拡大は起きないとの結論だ。

 

一日100万回を実現するために政府は、大規模接種、職域、大学での接種などを進めているが、実際は高齢者3600万人への接種が進んでいない(国民全体だと接種率は8%)。いまだ接種券が発送されていない自治体がいくつもある。

 

ワクチンは確保できても接種が進まないのは、予約システムがうまく働いていないことが大きい(今後は打ち手や会場の問題がクローズアップされてくるだろう)。

 

大きな会場で一気に接種を進めるために途中から打ち出されたのが、自衛隊による自治体を超えた接種や規模の大きな自治体独自の大規模接種だ。それまでは集団接種と個別接種だけだった。

 

ワクチンはなんとか確保されている。場所も広いところがあり、打ち手もいる。なのになぜ接種率が上がらないか。

瓶の容量は大きいのに注ぎ口が小さいから、水を大量に流し入れようとしても入らないのだ。電話はつながらず、ネットでは延々と待たされる。水は注ぎ口に入らずにあふれている。だからいまだ接種率25%程度(神奈川県は20%)にとどまっている。世界では129番目だそうだ。

 

注ぎ口を大きくするための工夫がなさ過ぎた。高齢者が歩いていける場所(投票所が具体的なイメージ)を決め、そこに住む高齢者一人ひとりに日にちと時間の指定をしたはがきを出す。選挙のイメージに近い。必要なのは打ち手の数だ。地元医師会の協力が欠かせない。でも、できればかなりスムーズだったはずだ。そこからもれる施設入所者、自宅から自力で出られない人、指定の日に来られない人への対応は必要だ。でも高価な予約システムを使うより選挙人名簿の発送のノウハウがあるのだから、さほど面倒ではないはずだ。いまあるシステムを運用するだけで済むという点で安上がり(決まった住所がない人たちへの対応はまた別に考える必要がある)。

 

高齢者にとってはこうしたやり方がストレスもなく、もれも少なくなるのではないか。

 

しかし、国も自治体も高齢者が自分で予約をするシステムを選んでしまった。それぞれの事情も考えずに。

うまく進まないから大規模接種をひねり出す。それもうまくいかない。国の権威で自治体の尻を叩く。しかし注ぎ口は大きくはならない。

「一日100万回」が達成されるのはいつになるか。オリンピックを前にワクチンは進まない、まんぼうや緊急事態宣言をは時的に解除してしてしまう、そうなるとどんなことが起きるか、誰も想像できる。

 

今朝予約が取れた某整形外科にはまだ少し空きがあった。ワクチンが確保されていても、医院名が公表されていないから空きが出てしまう。自治体によっては医院名を公表しているところももちろんある。

横浜では注ぎ口が小さいのではなく、注ぎ口が見あたらない。こんなバカげたことがあちこちで起きているとしたら・・・。

できる限り友人知人には連絡をしたが。

 

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