『SNS少女たちの10日間』(2020年製作/104分/R15+/チェコ/原題:V siti/日本公開:2021年4月23日〉醜悪な映画だけど、たくさんの大人が見たほうがいいと思う。より深く考える契機になるはずだ。

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野に咲く花の名前は知らない


映画備忘録の続き。

一昨日、久しぶりに3本連続で映画を見る。

 

SNS少女たちの10日間』(2020年製作/104分/R15+/チェコ/原題:V siti/日本公開:2021年4月23日〉

原題は直訳で『ネットで』という意味。邦題はうまくできていると思う。

子どもっぽく見える女優3人を募集して、実際に12歳の少女としてスタジオにつくられた部屋の中で十日間、ネットでのやり取りを記録するというドキュメンタリー。

こんな企画、日本で実現するだろうか。

 

チェコでの調査によると、子どもの6割が親から制限を受けることなくインターネットを利用し、そのうち41%が他人から性的な画像を送られてきた経験がある。そして知らない人とネット上で話す子どものうち、5分の1は直接会うことにも抵抗を示さないという。

 

写真付きのメールをはっしたとたん、どんどんアクセスが入る。総数2458人の男性が

アクセス。そのほとんどが性的なもの。裸になれ、写真を送れ、自分の性器をさらす男たち。

どの国も大差ないのだろう。

日本でもずいぶん前から同じようなことが起きている。

ただ、耳で聞いたり、新聞で読んだりするのでなく、こうしてドキュメンタリーで見せられるとその醜悪さがいや増す。

いかにこうしたネットの世界が子どもたちを傷つけるか。

制作側はカウンセラーや弁護士などとも連携し、男たちへのけじめをつけようと直接会いに行ったりもする。法的にさばかれることは重要なことだが、ネットという世界があってそこに吸い込まれているローティーンの女子たちの抱える問題はそのままだ。41%が性的な写真を送られたりしていること。ネットで話す子どものうち25%が直接会うことに抵抗を示さないこと。これって何だ?というのが見終わっての感想。その意味ではネットの世界で子どもしか相手にできない大人の男の問題も依然としてある。

 

醜悪な映画だけど、たくさん御大人が見たほうがいいと思う。より深く考える契機になるはずだ。