人口370万人超の横浜市は、ワクチンサービスの行き届かない限界集落の様相を呈している。高齢者にとって横浜市は高リスクの街である。

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毎度のことだが、横浜市行政の緊張感のなさ。

住んでいる自治体のことを悪くなど言いたくないのだが。

ワクチンのことである。

 

横浜市は5月3日、80歳以上の高齢者340000人を対象に、新型コロナワクチンの集団接種の予約を受け始めた。

この日、受け付けたのは予約枠75000人分のうち2588人分。たった3%だ。

それはそうだ。9時に予約をインターネットの予約サイトで受け付け始め、9時45分にはサーバーがダウン。サーバー増強はこの日のうちには難しく午後3時に受付中止を発表。

受付用の電話は350回線あったが、つながりにくい状況が続いたという。

 

インターネット専用サイトは、1分間で100万件のアクセスに対応できるはずだったという。

340000人が一斉にアクセスしたわけではないだろう。早く接種を受けたいから、家族、友人に頼んでアクセスしたのではないか。その結果「想定の倍の200万件のアクセス」があり、パンクしたのだという。

 

「想定を超えるアクセス数が原因」と横浜市は言い訳をしている。

370万人超の人口を抱える日本最大の自治体である横浜が、何らかのアクションを起こす場合、他自治体の「想定」をもとにしていたのではうまくいくはずがない。いつものように安易な請負業者に丸投げの結果がこれ。

 

丸投げならなる投げで、有り余るぐらいの「想定」をしてよと思う。

 

さて5日。サーバーを増強して予約の8割が埋まる。6日の朝一時間弱で上限に到達。合計76509人が予約できた。内訳はネットが66000人、電話が10000人。結局電話回線は増設していない。9時から夕方5時まで電話をかけ続けたが一度もつながらなかったという人の記事が新聞に出ていた。

なぜすぐにしないのか。

想像するだに気の毒である。インターネットが使えないから電話に頼る。独居老人は一人で電話をかけ続ける。家族で手分けしてかけられる人たちはいい。

80歳以上の人たちのうち、まだ予約できない人はまだ260000人以上いる。

終日電話をし続けてつながらず疲労困憊する老人たち。

行政の想像力の欠如というしかない。

 

7日になって横浜市はようやく電話回線を20回線増やしたと発表。コールセンターと合わせて420回線、待機回線も130回線に増やすという。オセー。

 

次の受け付けは10日。ここでの枠は29000人。まだ230000人が残る。

 

80代の予約、そして接種が終わるのはいつになるのか。見通しすら出ていない。

すでに75歳以上の人たちへの接種券は4月30日に発送されている。70歳以上の250000人には予定通り10日に発送するという。

 

わたしが該当する65歳以上の190000人は当初5月14日発送予定だったのが、17日遅らせるとのこと。こうしてずるずると遅れていく。

接種券の発送が遅れるということは、予約が遅れるということ。私たちの接種するときには秋風が吹いているのではないか。

 

7日、横浜市は集団接種主会場以外の「その他会場」21か所を発表し、5月17日から予約受付を始める。個別接種も始まる。ワクチンはなんとか入っては来るのだろう。

 

しかし、予約が取れない高齢者をどうするのか、落ちこぼしたままにはできない。

今のままではかなりの数の取りこぼしが出るのではないか。

 

 

とにかく「想定」のできない巨大行政に住むのはリスクが大きい。清川村などではすんなりの接種が進んでいる。

 

人口370万人超の横浜市は、ワクチンサービスの行き届かない限界集落の様相を呈している。高齢者にとって横浜市は高リスクの街である。