『スパイの妻』を見たのは、1月13日。
二度目の緊急事態宣言が出て間もないころ。
若葉町のジャック&ベティは、また座席が一つ空きになり、客足も遠のいていた。
負け惜しみを言うわけではないが(別に勝負はしていない)、『スパイの妻』を見に出かけたというより、どちらかというと『喜劇 愛妻物語』が見たかったのだ。間の時間が15分ほどとちょうどよく、遅くならずに帰ってこられる。ついでと言っては申し訳ないが、まあ話題の映画、見ておいてもいいかというぐらいだった。
今回この映画、カンヌ映画祭銀獅子賞(監督賞)の受賞が話題になっているが、たしか黒沢清監督はカンヌととにかく相性がいい。知っているだけでも『アカルイミライ』『散歩する侵略者』『岸辺の旅』などで今まで受賞している。
でもなあ、私の勝手な思い込みだけど、この監督の映画は、いつも何かありそうでたいしたことないなあと思うことが多いのだ。
まあ、いわば好きじゃないとか相性がよくなi
というレベルなのだろうけど。
そこそこ面白いと思ったのは、『トウキョウソナタ』と『散歩する侵略者』、『岸辺の旅』や『クリーピー偽りの隣人』などなんだかなあと思った。
でもこれって大林信彦の映画が嫌いというのと少し似ているかもしれない。何か重々しく表現できているようで開けてみると空洞。大林信彦の場合は、そこに戦争とか平和といった押しつけっぽい理念が入ってくるからさらに嫌悪感が増す。若いころの映画は邪気がなく映画として楽しめたのだが。
そうはいっても、見に行きたくなるのは、高橋一生と蒼井優が出ているから。
結果、「B」★★★。
文句を並べると自分でも嫌になるので、一言。とにかく脚本が不出来すぎる。
これに尽きる。大仰にいろいろと並べて見せてくれるが中身がない。駄作だと思う。
以上。
『喜劇 愛妻物語』。
『百円の恋』をつくった足立紳監督の作品。
濱田岳が好演。
けっこう面白かったなと席を立った。中身?書くほどのものではない。でも面白い。何がテーマ?言いたいこと?そんなものはどうでもよろしい。
4枚目。