戸車(2) 軽く触れればスルスルと。

我が家の戸車をめぐるもろもろの問題が、解消した。

 

今夕、近所に住む手作り家具工房を営んでいるISさんが、来てくださった。

 

時間にして3,40分だったろうか。

 

今、我が家の洗面所のドアは、自動ドアとまではいかないが、軽く触れればスルスルと動くまでに回復した。富山の豪雪を潜り抜け、一時は配送センターに滞留しながらも、横浜までたどり着いた二つの戸車が、快調に回転を繰り返している。

 

解決の兆しはあった。

 

昼間、ネットを見ているときに、戸車の広告が突然現れた。例のネットの先読み?機能で、検索したものを勝手に類推して商品を提示するヤツだ。

 

クリックすると、富山から届いたものとよく似た商品が。

さらにクリックすると、調整方法が詳しく載っているではないか。

何の意味があるかと気にも留めていなかったボルト2本。上下調整±3㎜左右調整±2㎜。実はこのボルト、立て付けの調整用ねじだったのだ。

 

動きが悪かったのは上下の調整がうまくいかず、車が中に入り込みすぎて、ドアが床を擦っていたのだ。

 

知っている人からすれば、そんなことも知らないで取り付けていたのか?と言われそうだが、知らなかった。

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ISさんが、「ほら、ここに上とか下とか書いてあるでしょう?」

 

これは本来、ドアを閉めたときに隙間があかないように調整するためだそうだ。

 

そんな字は私には見えなかった。汗で目が曇っていたのか?

 

ISさん、何度かドアを外して調整すると、あ~ら不思議・・・。

 

要するに私が戸車の構造を知らなかっただけなのだが、では知っていたらISさんのお世話にならずに済んだのかと言えば、そうではない。

 

ISさんは私のことを慮って指摘をしなかったが、実は取り付け方が逆だった。

調整ねじが内側に来て、調整不能の形に取り付けていたのだ。

 

なんとも、なんとも。素人とも言えぬ所業。恥ずかしい。

 

しかし、人生のたそがれ時になってようやく手にした戸車の知識だが、これから一度でも使うことがあるだろうか。

 

偏屈と人嫌いはいよいよ高じるばかり。

 

「うちのドアがあかなくなったんだけど・・・」なんて近所の人が親しく相談してくれそうにはない。

 

宝の持ち腐れである。

 

いやいや、これからは困ったときのISさん。

どうやら私は貴重な宝を手に入れたらしい。