12月25日 青葉台フィリアホール バッハプログラム

少し前のことになる。12月25日、青葉台フィリアホールで小さなコンサートがあった。夜の部に一人で出かけた。「愉音」主催。前回11月はピアニストの梯剛之とヴァイオリンの松本紘佳。ベートーヴェンプログラムだった。今回はクリスマスコンサートと銘打ってバッハ中心のプログラム。

 

第1ステージ、水野優也のバッハ無伴奏チェロ組曲第3番BWV.1009 。

水野は1998年生まれ。第89回日本音楽コンクールでチェロ部門優勝と聴衆賞。

見るからに若いイケメン。

しかし、聴きなれたバッハのソナタは若々しいだけでなく、この難局を変幻自在、十分に経験を積んだある種老成ともいえるゆったりとした豊かさが感じられた。

フィリアホールはチェロ一本の音が、嫌みなく反響していた。

1番から6番までの全曲演奏も苦もなくこなしそうな勢い。聴いてみたい。

 

第2ステージ、松本紘佳のこれもバッハの無伴奏パルティータ第2番BWV.1004 からシャコンヌ

これも聴きなれた曲。超難曲。出だしこそやや覇気がないかと思われたが、すぐにいつものペース。こちらも変幻自在のまるで曼陀羅のようなバッハの世界を十分に堪能。これまたもっと弾き続けてほしいと思う時間だった。

 

休憩をはさんで第3ステージ。メンデルスゾーンのピアノトリオ第1番ニ短調Op.49 

ピアノは福島有理江。

大曲。20代の弦二人に二世代ほども上の福島が絡んで、スケールの大きい演奏というように感じられた。ロマンチックでみずみずしく、前へ前へ躊躇なく進んでいく疾走感が気持ちよかった。

 

アンコールは、ヴァイオリンとチェロで、コダーイの「デュオ」。二人ともハンガリーへのシンパシーが強い。初めて聴いた曲。軽妙な舞曲のような。

アンコール2曲目は、サンサーンスの「白鳥」。ピアノとチェロ。絶品。

 

次は1月23日、2ヴァイオリン 大江馨が加わる。

2月28日は、クラリネットの名手コハーン・イシュトバーン。彼もハンガリー出身。超絶技巧の持ち主。楽しみである。

 

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