火曜日が終わるとホッとする。
Zoomによる授業、12回目が終了した。あと3回、今年に限ってはあと1回。ようやく向こう岸が見えてきた。毎回オンラインでの90分はかなり疲れる。早く岸辺にたどり着きたいものである。
天気が安定している。西高東低の冬型が定着しつつある。気温も今朝は4℃まで下がった。ニュースで渋谷あたりの気温が出るが、たいてい1、2℃、こちらが低い。
緯度的にはここは房総の袖ケ浦とほぼ同じだから、やっぱり東京よりは温かいのかもしれない。
このところ、カワウの群れがどんどん大きくなってきている。けさはサギが一羽、カワウの群れの最後尾について飛んでいた。別のところにサギの群れはまとまって餌を食んでいるのだが。どうしたわけだろう。
一方、どうして1羽だけなのかという鳥も。
バンという鳥だと思うが、ここ1週間ほど同じ場所の川の中ほどに浮かんでいる。飛んでいるふうでもない。いつもクイクイと首を前に出しながら泳いでいる。
バンかどうか自信がない。ネットの写真を見るとくちばしの色が違うような気もする。
それと珍しいのはカモメだ。これも海では群れになっているが、境川上流に一羽だけぽつんと。一日だけだったが。
境川の河口は藤沢の先、江ノ島あたり。ここから20キロほど下る。そのあたりから飛んできたのか。一羽だけ迷ってしまったのだろうか。いざこと問わん都鳥、どっから来たの?である。
先週、みなとみらいホールで風変わりなコンサート。
無人オーケストラコンサート。
いつもはオケの団員が坐ってる椅子に大小さまざまなスピーカが載っている。
事前に川瀬健太郎指揮神奈川フィルの演奏を無観客で録音したという。
普通の録音ならせいぜいが5,6本のところ、それぞれの楽器に1~2本、全部で175本のマイクで録音。ヴァイオリンだけでも20本近い録音マイクを使用したという。
そのうち100ほどの音源をそれぞれのスピーカから流すという試み。本邦初の試みとのこと。
当たらないだろうと思ったが、メールでの応募だったので片手間にやっておいた。ほどなく封書が届き当選とのこと。チケットが2枚入っていた。こういうのに運を使ってしまう(笑)
1日に4回、1回200名の聴衆。
今まであるようでなかった試み。大きなスピーカを舞台の上で鳴らすのとどう違うのか興味があった。
曲目はスターウオーズのメインテーマとベートーベン交響曲5番の「運命」。
座席は自由席、早く着いたMさんがちょうど真ん中あたりの、ふだんのコンサートならS席の中でもすぐに売り切れるところあたりを取っておいてくれた。
目をつぶって聴き入る。
いい音である。ホール全体にきれいに響いている。音に切れもあり、広がりもある。ば
らばらにスピーカが鳴っているというのとは違う。機械の音っぽくないと思った。
じゃ、ナマのオーケストラかというとそれとも違う。
とにかく70ほどのスピーカが同時に鳴っているのだ。ちなみにスピーカはすべてヤマハ製。高性能だなと思う。
しかし度肝を抜かれた、という感じではない。
仕掛け人が何人かステージで、その仕組みなど話してくれたあと、聴衆はステージに上がっていいとのこと。これがすごかった。
下手からステージに上がっていく。第一ヴァイオリン。一つひとつのスピーカに耳を近づける。聴いたことのないクリアな切れのある音。第二ヴァイオリン、木管、金管、打楽器、チェロ、コントラバスと巡って最後は指揮台に上がる。
客席とは聴こえ方がまるで違う。音に包まれる感じ。それも多種多様な音がしっかりまとまって聴こえてくる。若いころ吹奏楽を指揮したことはあるが、それとはまったく違う。弦があるせいか。初めての体験。ヴァイオリンがすぐ近くから左手下から聴こえてくるのなんとも気持ちがいい。もともとの演奏がいいことが一番なのだろうけれど、それにしてもこのなんというか、たくさんの楽団員が確かにそこにいて演奏をしているような、そんなふうに聴こえた。
ここで聴こえるほんとうの音がどんなか知らないから何とも言えないが、機械とナマどっちと言えば俄然ナマに近い。
ただ椅子の上にスピーカを置いているだけではない。スピーカの向き、台の材質、ミキシング、なによりスピーカの種類。それぞれの楽器に適したスピーカを準備できるというのがメーカーの強み。しかしもっとも大事なのは再生音をミキシングしていく人の耳。
1時間ほどのコンサート?だったが、驚かされた。
しかし月並みだが、出口に向かいながら考えたのは、ああナマのオケが聴きたいということだった。機械に飢餓感を増幅させられたようなものだ。