11月末日
11月の映画の記録。
18日(水)グランベリーパークシネマ
『罪の声』(2020年/142分/日本/原作:塩田武士/監督:土井裕泰/脚本:野木亜紀子/出演:小栗旬・星野源ほか/10月30日公開)★★★☆
80年代の未解決事件「グリコ・森永事件」を題材に独自のストリーで再構成した原作の映画化。原作を読んだ時も感じたことだが、あれほどの難事件が、ほとんど警察が関与しないで全貌が明らかになるというのは解せない。はからずも脅迫の声の主となったテーラー店主と文化部記者によって暴かれていく事件は、次々にピースがはまっていく分かりやすいジグソーパズル。とんとんと進むので見ていて飽きは来ないが、星野源演じるテーラー店主の悲痛さはあまり伝わってこない。重厚だし、引き込まれるのだが、終わってみると「なんだかなあ」である。
25日(水)グランベリーパークシネマ
『ホテルローヤル』(2020年/104分/PG12/日本/原作:桜木紫乃/監督:武正晴/脚本:清水友佳子/出演:波留 松山ケンイチ 余貴美子他/11月13日公開★★☆
つまらなかった。
ラブホテルの内情もそこで働く人も訪れる客ものっぺりしていて深みを感じない。
何より桜木紫乃の小説の釧路あたりの空気感や人物の情感のようなものがほとんど感じ取れなかった。原作のうわべをなぞった感。どのシーン、人と人との関係も中途半端。どこかで見たようなシーンばかりが目についた。がっかりした。
桜木紫乃の映画化作品は、佐藤浩市が演じた「起終点駅ターミナル」もあまり面白くなかった。小説の方は暇に飽かせてほとんど読んだが、濃淡はあれ、独特の情感が文章から感じられて、豪華ではないが味わいの料理を食べているようだったのだが。