2か月に一度、琉球泡盛を注文する。
定期的に届くというやつではない。
あゝもうなくなったのか・・・。また注文しなきゃとひとりごとを言うと、ちょうどそれが2か月に一度なのだ。
1週間後あたりにゆうパックのおじさんがぴんぽ~んとチャイムを鳴らす。
おじさん(私より10歳以上年配にみえる)は、少し息を切らせて重たそうな段ボール箱を手にもって玄関に入ってくる。品物は10㎏ほどの重さ。台車を使えばいいのに。
必ずと言っていいほど、おじさんは明るい声で
「赤田さ~ん!泡盛ですよぉー」と声をかける。
私は「おじさん、注文品は個人情報ですよ。声に出して云わなくてもいいの」と思い、
おじさんは「毎度毎度、よく飲むねえ、この人は・・・」と思っているかどうかはわからない。
注文は「FAXで・・・」と言われているから、毎回石垣島までFAXを送っている(実感はないが…)。
今ではFAXはこの注文以外に使うことがない。泡盛専用FAXとなっている。
注文内容は毎回同じ。違うのは日付だけ。
味気ないのと、2年前に蔵元を訪ねたことから、ひとこと簡単な時候のあいさつを書く。
うれしいのは、請求書の通信欄に手書きの返信が書かれていることだ。
お元気で何よりです。
石垣島は台風9号10号の影響は多少ありましたが、被害は少なかったようです。
沖縄ではお盆のころにやってくる台風をソーロン台風(お盆台風)と云い、大きくて強い台風になるのだそうです。
もう秋の気配で、ずい分と凌ぎ易くなっていますか?お体ご自愛ください。
ちょっと調べてみたら、八重山毎日新聞2013年8月23日の「不連続線」(一面のコラムだろうか)の文章が見つかった。
「ソーロン台風」旧盆の時期を直撃する台風の呼び名だ。石垣島地方気象台によると1994年8月19日からの旧盆期間中に台風16号が八重山地方に接近したという▼そのソーロン台風が旧盆送り日の21日、八重山地方に接近した。幸い、台風が石垣島の北側の離れた位置を通過したことで、八重山地方は暴風域に入るのを免れ、21日に空の便と離島航路で欠航が相次ぎ、観光客や住民生活に影響が出たものの、農作物や住宅などへの大きな被害はないようだ▼かえって、干ばつ傾向が続いていただけに、農家にとっては「恵みの雨」をもたらした「ゆがふ台風」となったようだ▼だが、石垣島の南海上で発生し、一時は南東方向に進み、遠ざかった後にジグザグの進路をとった末のUターンという迷走台風に市民もさぞヤキモキしたことだろう。迷惑な台風だ▼なにはともあれ、台風接近で当初、危ぶまれていた旧盆中日の波照間の「ムシャーマ」や明石の「エイサー祭り」、各地のアンガマなど恒例の旧盆行事や、各家庭でのウクイ(精霊送り)もほぼ滞りなく行われたのは何よりだ▼一年ぶりに各家庭で3日間を過ごしたご先祖様が現世のファーマー(子や孫)のことを思い、台風の影響を最小限に食い止めてくれたのかもしれない。祖先に感謝だ。(下野宏一)
ゆうパックのおじさんが運んでくれる泡盛と素敵な小文で、石垣島とつながっている。