備忘録の続き
8月10日(月)
「実家」一日目。午前中、スーパーへ買い物に。
行列。入場制限はしていないが、開店直後は行列になるようだ。
お盆の買い物?
いや今日は祝日。「山の日」だそうだ。「海の日」もほとんど意識していないが、「山の日」はもっと。
もともとは8月11日が「山の日」。
今年はオリンピックの閉会式の次の日ということで3連休をつくったのだとか。ハッピーマンデーかと思ったらそうではないとのこと。ハッピーマンデーになればいずれ8月12日の日航機事故の日が月曜になる。それは避けたいということのようだ。
スーパーが込んでいるのは、祝日だから。
マスク、消毒は続いているが、少人数で・・・には変化がある。夏休みということもあって家族連れが多い。
珍しく大きなイナダを一匹買う。50㎝以上ある。丸々と太っている。
三枚におろして、刺身に。あらはぶり大根ならぬイナダ大根に。
午後、長女とダンナそして二人の孫たち。半年ぶり。抱き上げるのが精いっぱい。いちばん上の子は骨がきしむようだ。
8月11日(火)
夕方、次女とダンナそして二人の孫たち。下の子の診察があって夕方遅くに合流。1歳になった5月に心臓の手術をしたが、元気いっぱい。歩き方もしっかりしてきた。
人口密度が突然高くなり、戸惑っているライ。
本日も36度超え。久しぶりの酒宴。この5か月、ずっとふたり酒かひとり酒。
次女家族はクルマで20分ほどのところ、遅くに帰る。
8月12日(水)
それぞれ買い物などに外出。
帰りに足りなくなったビールを買いにコンビニに。
店員の視線に慌ててマスクをする。
月刊「文芸春秋」が出ている。芥川賞全文掲載との見出し。ふたり受賞だから大盤振る舞い。ふだんは買わないが。高山羽根子「首里の馬」、遠野遥「破局」。
8月13日(木)
早朝、新聞の切り抜き6年分のノートを廃棄する。
台車に載せて30冊ほどを運ぶ。
最近はノートには貼らない。関連するものだけを集めてホチキスで止める。
要らないくなったらなるべく早く捨てるようにしている。
14時ごろ、長女たちが帰る。都内を電車を乗り継いで抜け、習志野まで。
静かな夕食に戻る。
人に当たったのか体調を崩し、餌を吐いたりしていたライは早々と寝ている。
孫たちがやっていたWiiをやってみる。
ハードはずいぶん前に次女からプレゼントととしてもらった。
面白そうだからとWiiスポーツとWiiミューシックいうソフトを買ったのだが、1,2度やっただけでほおってあった。
食わず嫌い。テニスにゴルフ、ボーリング、ボクシング、やってみるとそれなりに面白い。
Wiiミューシックも蔵出ししてやらねば。
8月14日(金)
先日、卒業生から大学の授業の課題のインタビューの依頼があった。
「1時間くらいかかります」というので、9時半に電話をもらうことに。
長いこと音信のなかった人。7年ぶりに声を聞く。
15歳が22歳になる時間。私の60歳から67歳までの時間とは密度の濃さが違う。
別人のように感じられる。
45分ほどのインタビュー。おしゃべりもそれなりに。
出不精がでぶ性にならぬように、今日は外出。若葉町の「ジャック&ベテイ」
1本目が
『赤い闇 スターリンの冷たい大地』(2019年/118分/ポーランド・イギリス・ウクライナ合作/原題:Mr. Jones/監督:アグニエシュカ・ホランド/主演:ジェームズ・ノートン/日本公開2020年8月14日)
今日が封切り。偶然。今日の一番の狙いは『はちどり』。
7月終わりからジャック&ベテイもオンラインチケット販売が始まった。
朝、『はちどり』のチケットを取ったとき、目に留まったのがこの映画。時間が『はちどり』の直前。
帰宅してから、前日の夕刊のテレビ欄の下に大きく広告が出いるのに気がついた。二番館だったジャック&ベテイもいつのまにか封切りの対象館に。
座席は一席ずつ空けて坐る。補助席が両わきの通路に出ている。
1933年、ヒトラーへの取材経験を持つ若き英国人記者ガレス・ジョーンズは、世界中で恐慌の嵐が吹き荒れる中、ソビエト連邦だけがなぜ繁栄を続けているのか、疑問を抱いていた。ジョーンズはその謎を解くため、単身モスクワを訪れ、外国人記者を監視する当局の目をかいくぐり、疑問の答えが隠されているウクライナ行きの汽車に乗り込む。しかし、凍てつくウクライナの地でジョーンズが目にしたのは、想像を超えた悪夢としか形容できない光景だった。(映画ドットコムから)
デュランテイの腐敗とそれに対抗する二人の記者のやりとりがリアル。実際にウクライナに入るジョーンズの目に映ったのは、社会主義の成功などではなく飢饉で苦しみ亡くなっていく何百万人もの農民たち。この描写も凄い。
秘密警察に逮捕され拘束されたジョーンズは、人質を取られて真実を隠蔽することを約束して解放されるが、イギリスに戻ってウクライナの現実を伝え始める。これに対抗するのがデュランティだ。ニューヨークタイムスが反論記事を書くことでジョーンズはうそつき呼ばわりされ、都落ち。しかし・・・。
第二次世界大戦前のヒトラーとスターリンの政治的な鞘当ての時期。
ポーランド人監督にとっては、この時期の欧州の政治状況をしっかり描くことが、祖国が受けた辛苦の歴史を捉えるうえで重要だったのだろうと思う。
スターリンにとっては、英仏と組むかヒトラーと組むかの時期。独裁テロ体制を社会主義の成功で包んで隠蔽し、ヒトラーと手を組むふりをしながら欧州侵略へ向かう。
ふたりの支配者による狂気の時代。今でもこうした映画がつくられ、公開されることの意義は大きいと思う。
記者を追うことで、歴史がエピソード的に語られず、客観性のあるものとして描かれたと思うが、それ以上に映像の求心性がすごいと思った。
『はちどり』については次回に。