昨夜のネットTVの安倍首相と山中教授のオンライン対談を見た。
山中教授は丁寧な言い方だったが、かなり率直に現在の政権の対応について指摘、質問をしていた。
私が印象に残っているのはまず、山中教授がアビガンもレムデシビルと同じくらいに承認してほしいと求めたこと。山中教授は政治判断をせよと迫ったということだ。
これに対し首相は、いやいや自分たちはこれだけやっていると、またまた自己宣伝をするが、肝心のところは善処するにとどまる。
薬の承認は現在まさに政治レベルの判断の問題となっている。レムデシビルにしても万能というわけではなく、腎機能への悪影響も指摘されている。山中教授はそのうえであえて強くレムデシビル同様アビガンの承認まで求めたことは、今のままほおっておけば事態はかなり悪くなると考えているということだ。その焦燥感が伝わってきた。
二つ目は大学生に対して相応の対応をしているという首相に対して、大学院生にも同様の対応を、とご自分の職域での危機的な状況を訴えたこと。これに対し首相は「善処する」といった答えただけ。今やっていることの延長線上の問題。即答してもいと思うが、この人は決断しない。
三つめは緊急事態宣言解除のための具体的な基準を21日までに明確に示すということを明らかにしたこと。これが一番大きかったのではないか。
大阪府はじめ各自治体の休業解除の動きに対し、国の宣言解除の基準が見えてこないことへのいら立ちが募っている時期だけに。
とはいえ、相変わらずPCR検査の数が少ない状況では、緩和の方向に対して感染していても無症状の人の存在がどのように影響するかはやはり心配。
解除なり緩和の具体的な根拠が欲しい。
今朝、宇都宮の餃子組合の事務局長のインタビューをテレビで見た。
今まで土日は県外からの流入者が多かったから、持ち帰りの営業だけにしていた、これからは店内での営業も始めたい、といった趣旨の発言だった。
驚いたのは「県外からのお客様」ではなく、「県外からの流入者」という言い方。
失礼かつ非常識だと思った。3・11のときに福島ナンバーの人たちに対して向けられて視線や、望まれない難民を忌避する欧州の人々の視線に近いものを感じる。
云いたくないけど、誰のおかげで商売ができていると思っているんだ!と思ってしまう。
商売人が客よりエラそうになってしまう。
客がお店の従業員にありえない態度でクレームをつけたりするのは恥ずかしいことだと思う。それ以上に、店側が客に対して尊大にふるまうのはさらにみっともない。いやなら帰ってくれ、もう来なくていいという態度。何様?である。
「流入者」という言い方にはそういうものを感じてしまう。
話は変わる。
NHKEテレの「バリバラ」。以前からすごい番組だと思っていたが、今回の『バリバラ桜を見る会』の第一部第二部をみた。鳥肌がたった。
前編の再放送が差し替えられたと話題になったが、さもありなんというほどの内容。
NHKに限らず、障がいや少数者に対する視点としては最もまっとうなセンスで番組をつくっていると思う。生真面目なだけではない。そのユーモアセンスもかなりキツくてすごい。以下に詳しく内容が載っているので、ぜひ。
第一部についての記事
https://news.yahoo.co.jp/byline/mizushimahiroaki/20200502-00176554/
第二部についての記事
https://news.yahoo.co.jp/byline/mizushimahiroaki/20200503-00176578/