ツバメをよく見るようになった。
空気を切るようにして飛ぶ姿は美しい。
最近、カワセミを啼き声で区別できるようになった。
チチチ、と書いただけでは他の鳥と分別できないが、私たちの耳では分別ができるようになった。
「あ、カワセミ!」
Mさんとつい声が合ってしまう。
カモの幼鳥をよく見る。嘴が黄色くない。器用に飛ぶ。
カメの甲羅干しも二日続いた。体長30cmほどの。
とうとう緊急事態宣言まで来てしまった。
政治は、個別案件のように見えて、全く別の政策の実験台になってしまうことがよくある。有事の際の実験台としては、人心がどのように反応するか、を見るには格好の時。
眉に唾をつけて話を聴くようにしている。
緊急事態宣言ではロックダウンは出来ない、強制性が薄いなどと言われると、ほおが緩んだりするが、強い自粛の要請が、自己責任の裏返しであることを忘れてならないと思う。補償問題はかなり後を引くと思われる。
30万円の給付がぶち上げられたが、はやくも対象となる世帯はかなり絞り込まれることが報じられている。
住民税が非課税となるラインは、年間収入が100万円前後の世帯となるようだ。
例えば、月収が20万の人が10万円に半減したとしても、非課税の枠に届くかどうか。
これでは、実効性のある給付とは云えないと思う。
政権が、「世帯」にこだわるのは、家族制度を守りたいということか。
これに対する批判として一番頷けるのは、給付金は世帯主のところまでしか届かない、ということだ。
多くの人が恩恵を被るためには、電気代、水道代、テレビの視聴料を国が一括して負担
するという方法がよいと思う。手続きも個人がしないで済む。
家から出ないでほしいという要請をするのなら、一律にこの三つを補償するという考え方は悪くないと思うのだが、どうだろうか。
消費税を0%に、というのもかなり効果があるはずだ。
世帯単位にお金を配るというのは、どこかに家父長制の温存を考えているということだ。
風俗関係に従事する人たちにも給付金が出ることになった。
税金も払い、同じように子育てをし、同じ空気を吸っているこの人たちを、除外、差別する政治の冷たさ。
そのうえ、つい言ってしまった
「国会議員の収入に影響ありません」
これは、「国家(地方)公務員の収入に影響はありません」というのとは、本質的に違う。
額面平均2200万円をもらっているこの人たちは、政治をやりたいと言って手を挙げ、選挙によって選ばれた人たちだ。
その人たちが「国難」(こう言い方は時代がかっていて違和感があるが)を前に、選挙民に対する給付金の議論をしている。
住民税非課税世帯の収入が年間100万円前後で線引きされるのに、年間2200万円もらっている人たちが、その給付金を決めるおかしさ。
身を投げ出せとは言わないが、せめてこの緊急時、選挙で選ばれた人たちは、1割や2割の歳費カットを云いだしても、ばちは当たらないだろう。むしろ、まずは身を切ることから始めるべきではないか。そうでなければ、その軽い言葉に誰も耳を貸さない。
生活費がもたない、お店の存続が危ぶまれる、子どもを預ける場所がない、食費すら確保できない、といった人たちを前に、年収2200万円を手放さない政治家。
緊急事態を宣言するならば、身をもって緊急性を表現してほしい。