人が消えた。
銀座も渋谷も閑散。
いつも買い物をするスーパー、エイビイ林間モール店に着いたのは開店時間の10時。1階の駐車場はぎっしりと埋まり、二階の駐車場も空きが少ない。
階下に降りると、エレベータの前から長蛇の列。
暮れの買い物時には行列が出来たが、せいぜい館内だけの5,60㍍。行列のしっぽをたどって歩いていったら、屋外に出てしまい、そこから100㍍以上先に最後部があった。250メートルほどの行列。
小池都知事発、近県知事迎合の週末外出自粛要請のなせるわざ。
いつもはゆったり買い物ができる広い通路も、カートがぶつかり合うような混雑。
野菜の価格は先週より高くなっているように感じられるが、みな「飛ぶように」売れていく。
恐怖感が先に立っているのだろうなあと思う。
レジに並んだら、後ろの高齢のおじさんが、私たちとの間を2メートル以上空けている。
通りかかった女性が棚の品物をとろうと空いたそのスペースに立ったら、おじさん
「ここはわざわざ2㍍空けてならんでいるんだよ!」
といらだった声で怒っている。
女性は、横入りするつもりなどなかったのだが、おじさんは勝手にカリカリしている。
過剰反応、だと私は思う。
事態をあまり過剰に受け止めると、動きが取れなくなる。買占めはまさにその一つ。動いているようで、結果的に自縛しているのでは。
だからって、「それは過剰だ」と言い募りすぎれば「お前は何もわかっていない」と叱られる。
1か月前の安倍首相の一斉休校要請宣言。
専門家の意見を聞かずに、と批判された。そうだと思った。
でも、お昼前後にワイドショーを見ていると、専門家もいろいろだなあと思う。みなニュアンスが少しずつ違っている。
安倍首相が、どの専門家に話を聴くかで、結論は変わってしまう。
大きく網を打っておけば、とりあえず問題なし。あとから責任を追及されることもない、という人もいる。これが政権にもたてつかないで専門家の位置もキープする立場。
効果のない網の打ち方は、むやみに恐怖心をあおるだけ。根拠を示して網を打つべし。
というのだとやや政権に批判的になる。
ワイドショーの結論は、どちらにも大きく振らない。公平ぶりながら、強く主張しない。
毎日、同じようなメンツの議論を繰り返し見ていると、そわそわと落ち着かなくなってくるのではないか。
なんだかんだ言っても、みんなそれなりに準備しているのではないか、不要不急って云われても何がそれにあたるかよく分からない。とりあえず、後れを取らないようにできることをやっておくか。
疑心暗鬼。
そこで・・・ということになってしまう。
テレビはこわい。
高齢者というにはまだ少し早いが、年齢的には「前期」。リスクがないわけではない。
自分たちの話である。
あえて言ってみれば、理性的に判断しようと思っている。
過剰にならずそこそこに気を付ける。
いつもの生活を淡々とこなすこと。
適度な運動と食事。いつもより頻繁に手洗い、マスク。そして適度な外出も大事なのではないか。
お店が開いていないのと客が来ないのは、ニワトリと卵のようだけど、とりあえず家に閉じこもらず、外に出てみること(きょうは、雪の予報。あまり出る気にはならないが)。
オリンピックは一年程度の延期が決まり、テレビ番組はアスリートたちの気概を聞いている。あと一年、オリンピックが続くのかと思うと気が重い。
学校の再開も、暗雲が垂れ込めてきた。
教員だけが感染しないということはありえない。
いずれ感染すれば、子どもたちへの影響は避けられない。
そういうこともありうると考えておく。
なるべく重度化しないように普段の生活を保つ。自分の躰は自分で守ると子どもにもしっかり伝える。
学校の日常も見えないウイルスに左右される。ウイルスが学校の日常を変える。
ウイルスと共存しようとすれば、何が何でも全員集まって!長時間!という行事はスリム化せざるを得ない。
リスクはゼロにはならない。
そこそこのリスクとバランスをとりながら生活する、ということだ。
自粛は今日で二日目。
12日まで「強く要請」されるらしい。