もう、おとといのことにになる。
2月19日。横浜中華街・広東料理牡丹園で、児童読み物作家の中澤晶子さんを囲む会。
ヒロシマの修学旅行に関わる市内の中学校の教員を中心に、都内からも人が集まる。
ここで開くようになってもう7,8年になるだろうか。
初めてのとき、定員を超えて40人近くが2階の会場に入った。お世話係の事務局はてんてこ舞い。3時間以上の宴会を終えて、すぐ近くの地下にあるカラオケボックスで囲む会2次会~歌は歌わないのだが~に案内。一日が終わろうとする時刻に地上に出て、はっと気がついた。
代金を払っていなかった。ポケットには二十万近いお金が入ったまま。
電話をしても、出ない。
このままだと無銭飲食、代金踏み倒し。
1時間以上かけて深夜の帰宅。次の日、早朝再び中華街へ。
「こんなに急がなくてもよかったのに」
店主のMさんの笑顔に救われた。
いつもほとんど時間無制限、価格据え置き、呑み放題。なのに中華街では珍しい鯛の姿づくり中華風や、うにをどさっと載せた茶碗蒸し、鯛のあらでだしをとったスープをかけXO醤を入れて食べる名物チャーハンなど、美味満載の料理。
Mさん、去年はバレンタインデーだったので、みんなに赤い包み紙のチョコを配ってくださったのだが、今年はさすがに浮かぬ顔。
「ここにお嫁に来て30年経つけどこんなこと初めて」
「とにかく人が少ない」
「食べ放題の店は薄利多売だから、つぶれる店も出ている」
「電話がなると、予約キャンセルかと思うとドキドキしてしまう」
私もこんなに歩いている人の少ない中華街は初めてだ。
この日、すぐ近くのベイブリッジに停泊していたダイヤモンドプリンセスから陰性の乗客が下船を始めたばかり。
私の最寄り駅の南町田グランべリパークはリニューアルオープンから3か月、平日とは思えないほどの混雑ぶりだった。
福岡では、マスクをせずに席をしている乗客がいると非常停止ボタンを押した人がいた。
エキセントリックというほかない。
新型インフルエンザのときの大阪での騒ぎに近いものがある。
いつもなら混雑して並ばなければならないお店も、今なら並ばずに食事ができる。
中華街では表通りの超有名店と食べ放題のお店ばかりが目立つ。地道に長く常連客を相手にやっている牡丹園のような「名店」こそ地元の財産。
お時間のある方、ぜひ一度ご来店を。
ということで、中澤さんを囲む会。
28名ほどの出席の連絡が来ていたのだが、数日前からキャンセルする人が少しずつ。
コロナの影響ではなく、風邪とか家族の都合などよんどころない理由。
結局22名。
3卓をゆったり使って。
中澤晶子さんからは、広島・旧陸軍被服支廠の保存問題について提起がある。
被爆の街広島、復興の街広島だけでなく、日本の近代化以降、軍都として栄えてきた広島を捉え返す契機に。
20代の若い教員から60代の再任用、定年教員まで幅広い年齢層。異業種の方も含めて、ここは毎年自由な語らいの場になってきた。
記念の集合写真などを撮ってお店の外に出たらもう10時。うたげは延々4時間続いたことになる。