大相撲九月場所、酔いに任せて昔ばなし・・・。

 大相撲秋場所が終わった。貴景勝と御嶽海の決定戦で御嶽海が快勝。貴景勝はいいところなく、胸の筋肉断裂という傷を負って終わった。来場所は大関復帰の場所になるが、出場が危ぶまれている。

f:id:keisuke42001:20190923153826j:plain御嶽海

 

平幕で3敗の隠岐の海貴景勝に敗れ、粘りのある相撲で注目を集めた遠藤は御嶽海に敗れた。隠岐の海も遠藤も懐の深いいい力士。来場所はそれぞれ前頭筆頭当たりの予想、楽しみだ。二度目の大関陥落の栃ノ心もこのままでは終わらないだろう。

f:id:keisuke42001:20190923153848j:plain隠岐の海

 

2年前の秋場所、大相撲観戦バスツアーというのに参加した。この時も、観戦日が近づくに連れて休場力士が増えていくといった状態で、「なんだよ、なんだよ」なんて言いながら、意気阻喪、消沈して出かけた。

 

バスの中の空気も暗かった。男性のガイドはぺらぺらとよくしゃべったが、力士の休場については一言も触れなかった。

 

築地のすし屋でお昼を食べ、浅草寺界隈を散策して両国へというコース。寿司だけにどうせお店はすし詰めだろうなんて話していたら、意外に瀟洒なお店で寿司もうまかった。

浅草寺は時間調整に使われるらしく短時間。Mさんは集合時間に遅れて、ガイドの少しきつい視線にさらされていた。

 

で、国技館の座席はと云うと、これが上の上。ざんねんだが物理的に、だ。力士は豆粒のよう。声をかけても届きようもない。

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テレビの解説者の席を探したのだが、見つからなかった。

お酒や焼き鳥などお土産が配られるが、これも早々と食べ、呑んでしまう。

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あとは、館内のぶらぶら歩き。

 

見たことがある力士がジャンパーを着て人員整理などをしている。

向こうは知らないけれど、こちらは知り合いのような気がする。

 

彼らは力士でいる時間より、引退して相撲協会で仕事をする時間の方が長い。

人間関係、難しいだろうな。現役のときの番付が最後までものを言う世界。

 

幕内で引退したならいいけれど、一度も十両にも上がらずに引退した力士は住みにくい世界だろうなと思う。

 

相撲協会に残らずに、自立する人も多い。

今は閉店してしまったが、東急線の武蔵小杉に「むさし野本店」といううなぎ屋があった。

大将は小柄で、たしか関取にはなれなかった人だった。

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お店は相撲部屋を移築した建物で、入ると土俵があった。テーブルが並んでいたけれど。

大将は相撲強くはなかったようだが、相撲放送を見ているとよく映った。もちろん観客として。向こう正面の3,4列目あたりにいつもいた。相撲愛の強い人だった。うなぎ屋として成功し、いい座席でテレビに映るというのも、その一つだったのではないか。。

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料理がすごかった。うなぎ屋でありながら、宴会料理はちゃんこ料理。それもいわゆる「ちゃんこ屋風」ではなく、すべてほんもの。徳利は「馬力」と呼ばれ、日本酒の冷やが一升まるまる入るものだった。持つのも大変な代物。

相撲甚句が流れて、大将は白菜などを手でちぎっては大鍋に投げ入れる。

刺身は九州産のハガツオの一種、たしか大将はほうさんと云っていたが、大皿の上に盛られて出てくるが姿は全く見えない。その上に大根おろしが厚さ2センチぐらい盛られているからだ。

相撲取りは黒星を嫌うというので、醤油は使わない。大皿は床におけば「土がつく」というので、みな大皿を持ったままリレーして、手づかみで刺身と大根おろしを食べた。

 

小錦のベルトとか○○の足袋とか、いろいろな相撲関連グッズが置いてあり、大将が機嫌がいいと、問わず語りに相撲界のことを話してくれる。

 

力士は口数が多いのは嫌われる。なるべく短く答えるのが一番。自分の考えと違う時は「そうかな」、同じときは「そうす」、あとは「ごっつぁんです」と「頑張ります」で済む、と。そんな話も。

今は、自分の取り組みを冷静に言葉を選んで振り返る関取も多いが、大将が力士だったころはさもありなん、だったろう。

 

珍しいからと遠くから来た人たちで行ったり、職場の人たちと行ったりで何度も伺ったが、馬力を何本も頼むので、毎回呑みすぎてつぶれる人が出るのは閉口した。日本酒の冷やを大きな茶碗で呑むことなど普段はないから、調子を狂わせてしまうのだ。

 

40代の頃、今は昔の話ではある。

 

次は、11月場所、九州開催。