読書

『明日の食卓』(椰月美智子 2016年 角川書店)を読んだ。

『明日の食卓』(椰月美智子 2016年 角川書店)を読んだ。 映画をみたあとだから、新鮮味に欠けるかなと思ったが、最後まで面白く読み通した。惹きつけられる小説だ。だが・・・。 たいてい、原作をのほうが映画より勝っている印象を受けるものだが(先日の…

エッセイ集『台湾生まれ日本語育ち』(2016年)と小説『真ん中の子どもたち』(2017年)を読んだ。

医院の待合室から見える庭 温又柔の『魯肉飯のさえずり』(2020年)が面白かったので、すぐにエッセイ集『台湾生まれ日本語育ち』(2016年)と小説『真ん中の子どもたち』(2017年)を読んだ。前者は第64回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞し、後者は芥川賞…

『もう死んでいる十二人の女たちと』(パク・ソルメ 斎藤真理子訳 2021年 白水社 2000円+税)『保健室のアン・ウニョン先生』(チョン・セラン 斎藤真理子訳 2020年 亜紀書房 1600円+税)

チョ・ナムジュの『’82年生まれキム・ジヨン』(2018年)は、たしか映画を見てから原作を読んだのだったか。独特の文体で引き込まれたのを覚えている。 その時に初めて気がついた。 訳者は斎藤真理子さん。さん付けするのは、何度か仕事を一緒にしたことがあ…

横浜市ワクチン接種計画見直し。何度も言うが、90万人(8割でも72万人)の人たちに確実にワクチン接種を促すには、緻密で確実な計画が必要なのは中学生でもわかること。

毎日目に見えて成長する大葉 入梅したような天気。今朝は朝から強風が吹いている。雨まじりである。 ニュースでは関西から東海が平年より21日早い梅雨入りを報じている。 ワクチン。東京、大阪の大規模接種会場の予約が始まっている。 政権、官僚だけでなく…

『ワタシゴト 14歳のひろしま』広島本大賞、11冊のノミネート作品に選ばれる。

庭のアジサイ3本のうちの一つが咲き始めた 広島本大賞というものがあることを初めて知った。 2011年から続いている賞。 ということで、広島の本読みの手練れがさまざまなジャンルから厳選した本がノミネートされ、毎年1~3冊が大賞に選ばれるのだという。 1…

『JR上野駅公園口』・・・ラストシーンの記述は見事と云うほかない。久しぶりに小説を読む緊張感を味わった。

単行本も文庫本も同じ装丁のようだ ずいぶん久しぶりに柳美里を読んだ。『JR上野駅公園口』。単行本は2014年。文庫は2017年。昨年、全米図書賞受賞ということで文庫版は32刷り。累計37万部という数字に。それほど読みやすい小説ではないし、テーマとしても重…

『文学者の見た世紀の祭典 東京オリンピック』・・・「ところで、やはりオリンピックは、やってみてよかったようだ。富士山に登るのと同じで、一度は、やってみるべきだろう。ただし二度やるのはバカだ。」(菊村到)

二日ぶりの境川河畔散策。快晴。 鯉の恋の季節。 月初めに鯉が川をさかのぼる姿を見た。つい先日は、鯉が水中から飛びがあるところも。 きょう、川のあちこちで何匹もが入り乱れる壮大なシーンが見られた。1昨年はよく見かけたが昨年はほとんど見なかった。…

温又柔『魯肉飯のさえずり』を読む。「ことばがつうじるからってなにもかもわかりあえるわけじゃない」

近所のお宅の柿の木の葉っぱ 『魯肉飯のさえずり』(温又柔(Wen Yuju)/2020年/中央公論社/267頁/1650円+税) を読んだ。 温又柔は1980年台湾・台北生まれ。3歳の時に家族とともに東京に移住。台湾語交じりの中国語を話す両親のもとで育つ、と巻末にあ…

佐木隆三『身分帳』を読む

4月16日 庭のモッコウバラの接写 今朝も10℃。歩き始めは肌寒く、手が冷たい。 早瀬とか早淵という言葉があるが、よどみというのか淵というのか、そんなところにサギ、アオサギ、カワウ、カモ、セキレイが集まっているが、みな互いに無関心。カワウだけが…

『日本蒙昧前史』(磯崎憲一郎)『広島平和記念資料館は問いかける』(志賀賢治)

自画像(笑) 影を撮るなんて。間違ってシャッターを押してしまう。消そうと思ったが、なんだかもったいないような気がしてとっておいた。 覚え書きなのに書いていないことのほうが多い。身辺雑記、見た映画、読んだ本、、気になった新聞記事・・・忘れてい…

レンギョウが咲いている。『ケナリも花、サクラも花』を読む。

境川の菜の花 一昨日は急に気温が下がったのだが、今朝は12℃。歩いていると日陰は少し寒いが、朝日が当たると、すぐに温かくなる。 つがいで飛ぶカワセミを見かける。あまりないことだ。シジュウカラやメジロはたいていつがいだが、カワセミは一羽のことが多…

転んだ話と小説『幼な子の聖戦』(木村友祐)

きのう、散歩の途中で、転んだ。 いつ以来だろうか。たぶん10年は転んでいない。藤が丘駅のホームで、ベンチあるだろうとあたりをつけたところにベンチはなく、そのまま尻もちをついてしまったことがある。素面だったが。 Mさんが歩道の植え込みに足をとられ…

病院の話➂ 『だまされ屋さん』(星野智幸)

28日の日曜日、風雨がかなり強かった。マンションの廊下側の通路に雨がかなり吹き込んでいた。 桜はどうかと思えば、さほど散っているわけではない。早朝に家を出て藤沢から湘南鎌倉総合病院行きのバスに乗る。車窓から明るい日差しを受けて今こそ満開といっ…

『対抗言論』2号 閉塞の時代に正面からこうした言論の場所を具体的につくりだしていこうとする気概は貴重で、共感する

境川河畔 朝陽をバックに土手のすいせん 『対抗言論』という雑誌がある。 第1号が2019年12月に、第2号がつい最近出た。 大部である。1号が345ページ、2号は400ページを超えている。 第1号の巻頭言。 私たちはヘイトの時代を生きている。 現在の日本社会では…

『空洞のなかみ』松重豊

タレント本を買ったのはいつ以来だろうか。 最初に買ったのは山口百恵の『蒼い時』(1980年)だったろうか。百恵ちゃん(書いてみると少し恥ずかしい)が実際に書いたというので読んでみた。面白かった記憶がある。あの独特の低い声もそうだが、生きてテレビ…

『富士山噴火』『TSUNAMI 津波』そして『首都感染』

24日、久しぶりの雨。 水曜と日曜日に野菜を出す森さんちまで二人でクルマで出かける。 しかし、野菜は出ていない。この悪天候では仕方がない。手ぶらで帰ってくる。 散歩も中止だ。 予報は関東南部の平地にも5㎝ほどの雪。昼頃から薄日が差し始め、地面の雨…

寡作の小説家松家仁之を読む。『火山のふもとで』『光る犬』『優雅かどうか、わからない』『沈むフランシス』

ここ二日間、曇天。明るくなりきらないうちに歩き始め、薄日が差してくるのも悪くない。 4,5日前の早朝、北の方角から飛来して西に旋回するサギの羽の裏に、明け切ったばかりの陽光があたった。紺碧の空に一瞬の黄金の輝き。 珍しいシーン。サギの群れは…

「撤退の時代だから、そこに齣を置く」赤坂憲雄

2020年の大みそか。快晴。 境川河畔、今朝は、10数羽のカモの群れの中、2羽がけんかするのを見かけた。水の上をスーッと静かに滑って行くカモには、諍いなど似合わないから、激しく羽をたたき合う姿にすこし驚いて足を止め、しばしその様子を見ていた。 今日…

ちょっと変わったスーパーの話。

昨日、午前中に今年最後の買い物にいつものスーパーへ。 林間モールという広い敷地にカインズホーム、クリアエイトや王将、丸亀製麺、すきや、かごのや、ダイソー、眼鏡市場、等々が入っていて、スーパーエイビイはカインズホームと並んで敷地面積が広い。 …

せせらぎと鳥の声しか聞こえない境川遊歩道、そのわずか数㌔のところに爆音の元凶があるにもかかわらず、毎朝、のんきな散歩を続けているのである。【読み飛ばし読書日記】

けさは日は出ていたが雲が多かった。 昨朝は、抜けるような青空、丹沢山塊が朝日を受けて、山肌が明るく青く輝いていた。その向こうに富士山が薄く雪を冠って鎮座している。ようやく不順な天候が終わり、安定した天気が続く晩秋が訪れたようだ。5時には13℃を…

まとまらない読書備忘録【読み飛ばしの記録】

【読み飛ばしの記録】 備忘録です。 『アイム・トラベリング・アローン オスロ警察殺人捜査課特別班』(2019年3月単行本2016年/サムエル・ビョルク 中谷有紀子訳/ディスカヴァー文庫/1600円+税)★★★☆ 【ひとこと】 文庫で700㌻超。長さを感じさせない。…

『その手に触れるまで』(ダルデンヌ兄弟)まるで、ドキュメンタリーの画面を見ているような気分で、実はダルデンヌ兄弟の術中にはまってしまっている。その想念はしっかり計算された求心的なテーマ設定に基づいているからだ。  

16日にジャック&ベティで見た二本目。 『その手に触れるまで』(2019年/84分/ベルギー・フランス合作/原題:Le jeune Ahmed(若いアメッド)/監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ リュック・ダルデンヌ=(ダルデンヌ兄弟)/2020年6月12日公開) ダル…

ゆうパックのおじさんが運んでくれる泡盛と素敵な小文で、石垣島とつながっている。

台風15号石垣市登野城で71メートル 八重山で停電7千戸(琉球新報2015年8月23日の記事から) 2か月に一度、琉球泡盛を注文する。 定期的に届くというやつではない。 あゝもうなくなったのか・・・。また注文しなきゃとひとりごとを言うと、ちょうどそれが2か…

国際平和文化都市広島、270億円サッカースタジアム建設の裏で、大田洋子文学碑、市民に説明なく移設か。碑が設置される場所にもそれ相応の意味がある。場所もまた碑の一部なのだ。

あるがままのアート展から 9月1日(土) 夜半に降った雨のせいか、朝の気温が久しぶりに30℃を切った。 このまま涼しくなるのではないかという願望がかなわないのは毎年のこと。炎暑の一休み、真夏の気まぐれに過ぎない。 ”国際平和文化都市”広島でまたしょう…

「ぜひ、めんどくさがりの中学生に(笑)。君たちが主人公です」 岡崎勝さん『ワタシゴト』を語る。

狭い庭で元気に繁茂するアロエ わさび醤油で食べるのがたまらない。 高村光太郎は『道程』のなかで、 きっぱりと冬が来た と書いたが、今日のこの空気は何といえばいいだろうか。 きっぱりと夏が来た では鋭角すぎて、暑熱の猛烈ぶりが伝わってこない。 猛然…

映画「ふがいない僕は空を見た」の同名原作(窪美澄作)を読んでみた。心理描写が重層的で豊か。深さがある。面白かった。

一般社団法人全国旅行業協会(ANTA)というのがある。全国47都道府県に支部を置き、会員数5600社、観光事業の振興と地域の活性化を目指しているのだという。 いわゆる業界団体。 業務内容は、観光庁長官の指定協会としての「法定業務及び指定業務」、「試験事…

『月』(辺見庸)読了。辺見は、全てを敵に回して、「わたしたちのいま」を見せてくれる。

『月』(辺見庸)の朗読を終えた。 5月16日に始めて、7月11日まで2か月弱かかった。 朗読をしなかった日は6~7日、小刻みに、長くても20分程度。それ以上は重すぎて続かなかった。 18時30分~19時の、Mさんがキッチンで夕食をこしらえている時間、時にはま…

新刊『14歳のひろしま ワタシゴト』(中澤晶子) ワタシゴト  渡し事=記憶を手渡すこと  私事=他人のことではない、私のこと

中澤晶子さんの新刊です。7月17日発売。 広島修学旅行をめぐる子どもたちの物語。 中澤さんの『あしたは晴れた空の下で~子どもたちのチェルノブイリ』という本の中の1章「いのちということ」が、中学一年の教科書に載ったことがきっかけで、中澤さんと横浜…

『山中静夫氏の尊厳死』(南木佳士)の原作を読んでみた。その二

「文庫版あとがき」で南木は次のように書いている。 『肺がん治療に関していえば、現在はこの小説が書かれた当時よりいくつもの分野で格段の進歩がみられ、予後は年ごとに改善され、CT検診の成果で早期肺癌のみつかる割合も極めて多くなっている。』(232頁…

『山中静夫氏の尊厳死』(南佳士)の原作を読んでみた。その一

このあいだ、映画『山中静夫氏の尊厳死』について書いた。梅雀と津田寛治という二人の役者を起用したにしては、出来は決して良いものとは思えなかった。どこかひっかかるかるものがあったので、原作を読んでみようと探したら、2004年に出た文庫本が中古で見…